IDEA AND CREATIVITY
クリエイティブの専門メディア

           

コロナ禍で変わる制作現場と広告コミュニケーション

テレワークドラマで描く今だからこその人間模様

NHK「今だから、新作ドラマ作ってみました 第3夜 『転・コウ・生』」

柴咲コウさん、ムロツヨシさん、高橋一生さん、そして柴咲さんの愛猫“のえる”の魂が突然入れ替わる。戻ろうにも原因が全く分からない。果たして3人と1匹は元の体に戻れるのか──。そんな入れ替わりを描いたドラマ「転・コウ・生」が5月8日にNHK総合で放送された。これはNHKが企画したテレワークドラマ「今だから、新作ドラマ作ってみました」の一つである。

視聴者の心に寄り添う温かい作品

テレワークドラマ「今だから、新作ドラマ作ってみました」は、全3夜から成る。第3夜「転・コウ・生」の他に、第1夜は満島真之介さんと前田亜季さんが出演の「心はホノルル、彼にはピーナツバター」を、第2夜は小日向文世さんと竹下景子さん出演の「さよならMy Way!!!」を放送した。

テレワーク制作のドラマを企画した背景について、編成局編成センター 副部長 岡本幸江さんは「新型コロナウイルスの影響で、新番組の制作が難しくなっています。今だからこそチャレンジできる、視聴者の心に寄り添う温かみのある作品を放送できないかと日々考えていました。

脚本家の森下佳子さんに相談したところ、第3話のもとになる『入れ替わり』ドラマのアイデアをいただきました。上司からも内諾を得て、企画をスタートしたのが4月10日です」と話す。NHKエンタープライズから同じコンセプトの企画が出ていたため、1週間後には、第1夜と第2夜の脚本もそれぞれ作家に依頼。刻一刻と状況が変化する中で、今のリアルな状況を描くためおよそ3週間~1カ月で完成まで漕ぎつけた。通常、単発ドラマでも最低4カ月ほど放送までにかかるというから、そのスピードは驚きだ。

テレワークで制作したからこそ生まれたチームの一体感

翌週4月16日には、「テレワークで入れ替わりドラマを撮る」という旗のもとチームが立ち上がる。初めての挑戦ということもあり、参加者の意欲も高かった。そして、同日行われた初回の会議からの打ち合わせはすべてオンラインで実施した。「Web会議システムを使った会議は、セクションを問わず制作に関わるスタッフ全員が参加できるので、チームに一体感が生まれました。後から参加したメンバーも、チャットの履歴を確認できるのも魅力。

また、システムの特性上、一方的に話すと相手が発言できないため、会話の間が生まれます。その間と年齢や職種を問わない横並びの会議画面が、誰でも発言しやすい環境をつくりました。すぐに会議ができるし、URLやファイルも送れる。メリットの方が大きかったように思います」と制作統括/チーフ・プロデューサー 藤並英樹さん。

演者がカメラを持つことで生まれる新たな提案

時間もない中、キャスティング、脚本開発、収録準備を同時に進行。多様なシーンを描くために...

あと59%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

お得なセットプランへの申込みはこちら

コロナ禍で変わる制作現場と広告コミュニケーション の記事一覧

新型コロナで変容する海外広告(2)
新型コロナで変容する海外広告(1)
どこまで何ができる? リモート制作において知っておきたい法律
リモート収録で近づく リスナーとパーソナリティーの距離
リモートCMで力を発揮する インフルエンサークリエイター
今だからこそ自分で声をあげ 新しい映画をつくる
テレワークドラマで描く今だからこその人間模様(この記事です)
ブレーンTopへ戻る