2019年11月、渋谷パルコが約3年の建て替え工事を経て、グランドオープン。「世界へ発信する“唯一無二の次世代型商業施設”」というコンセプト通り、他にはないショップが話題を集めている。また、パルコでは空間デザインやデジタル施策にも注力している。2階のファッションフロアでは環境デザインをテセウス・チャンが手がけ、渋谷のスクランブル交差点からインスパイアされた象徴的なボーダー模様の床を展開。そして、5階のECを併設したオムニチャネル型売場ではデジタルを活用し、床が人の動きに合わせてさまざまなビジュアルに変化する。
自分を起点に変化する映像
渋谷パルコに新たにオープンした約180のショップは、「FASHION」「ART&CULTURE」「ENTERTAINMENT」「FOOD」「TECHNOLOGY」という5本の柱をミックスして構成されている。その一つ、TECHNOLOGYを床のデジタル演出で具現化したのが、5階の売り場「PARCO CUBE(パルコキューブ)」だ。ここは、リアルな売場を持つ商業施設における今後の方向性を提案していく売場として設けられている。
出店する11のテナントは、従来店舗の約半分の売場面積で展開し、店頭の実在庫は戦略商品のみ。その他の商品はECで販売するという、オフラインとオンラインが融合したオムニチャネル売場だ。
ショップが出店しているのは「未来の売り場」をイメージした、グリッドで仕切られたシンプルな空間だ。その売り場内にある長さ18メートルの床を歩くと、人の動きに合わせて「PARCO CUBE」のロゴが形を変える。時にはスポットライトのように人を照らし出したり、人が歩く軌跡を図形が追随したりと、床がさまざまなビジュアルに変化する。これはパルコスペースシステムズによる床デザインの演出「RootF」を導入したものだ …