熊本の醤油味噌メーカー フンドーダイ五葉は創業150周年の節目に1本3240円(720ml)の高級醤油「平成」を開発。九州ならではの甘口醤油を東京で販売するために、味、パッケージの開発、販路の開拓に東京のクリエイティブチームが取り組んだ。
九州ならではの味を全国へ
この仕事は、趣味や特技など社員のB面を活用して世の中に「オルタナティブアプローチ」を提供するクリエイティブ集団 電通 Bチームへのリブランディングの相談から始まった。チームリーダーである倉成英俊さんは取り組みに当たり、Bチームおよび電通食生活ラボのメンバーであるクリエーティブディレクター 中島英太さんに声をかけ、パッケージデザインなどを多く手掛けてきたStudy and Design アートディレクターの古谷萌さん、プロデューサー 押尾昌美さん、さらに新商品の開発と販路開拓の知見の深いmethod 山田遊さんらによるチームを結成。
メンバーは2017年末に、フンドーダイ五葉(以下 フンドーダイ)のある熊本を訪ねた。「当初、新商品をつくりたいという依頼ではありませんでした」と、中島さん。「地元で低価格の醤油を展開していたフンドーダイさんですが、社長が代わり150周年を迎えるタイミングで、東京にアンテナショップをつくるなどして全国展開したいから手伝ってほしい、という話だったんです」。
クリエイティブチームは、まずフンドーダイという企業や商品について知ることからはじめた。その結果、フンドーダイの商品は熊本ではシェア50%で、誰もが知っているメーカーであることが判明 …