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THE CREATOR あの人の頭の中

目指すのは、世の中も得意先も満足、自分も発想できて満足の広告

河西智彦(博報堂)

いま世の中で話題になっているCMを作っている人たちは、どのように企画を考え、映像を作り上げているのだろうか。今回は、幸楽苑、スペースワールド、Yモバイルの広告を手がける河西智彦さんです。

(左)ゲスト・河西智彦(右)聞き手・足立茂樹

「順列組み合わせ」でコピーを考える

足立:入社当時は営業職だったそうですね。

河西:入社時からクリエイティブ職を希望していたんですが、入社時と4年目に受けられる適性試験では落ちてしまったんです。その後、7年目に試験に合格してクリエイティブに異動したのですが、ビジネスを全体プロデュースする営業経験が実は役に立っていて、お得意先の売上増と面白い統合クリエイティブとの両立が自分の武器ですね。

足立:クリエイティブに異動後は?

河西:天才河野俊哉さんのチームにコピーライターとして配属されました。当時は「翌朝までに100案出して」と言われていましたが、数を出すことは苦ではなかったです。クリエイターには数は出せるけど深みがないタイプと、深みはあるけれど数が出せないタイプの2種類いて、僕は前者でした。今は「順列組み合わせ法」を編み出したので、ある程度、コピーも企画も幅と深さの両方を出せるようになりました。

足立:その方法、ぜひ教えてください!

河西:「誰に」対して「何を」言うかを組み合わせるんです。いきなり発想せず、論理と左脳で的確なジャンプ台をつくってから発想(ジャンプ)するイメージです。たとえば、お題が「朝ごはんのコピー」の場合、「目が覚める」「エネルギーになる」など朝ごはんのメリット(何を伝えると良いか)をどんどん書いていきます。

次は、小学生に、受験生に、社会人に、など、誰に言うかを書いていきます。それを組み合わせていくのですが、ここでもまだコピー化はしない。受験生の場合は「朝ごはんを食べれば合格までのあと1点がとれる」など、メリットを組み合わせで書き、最後にそれらをコピー化します。こうすると数を出せるし、書いたコピーは的を外れません。

足立:面白いですね!言いたいこととターゲットのKJ法で数を出して、最後にコピーライティングで深みを出す、と。

河西:この方法は「言いたいことの新しさ」と「言葉のチョイス」で深みを出すチャンスが2回あるんです。お題が「牛乳」の場合、多くの人はメリットとして「背が伸びる」と考えるけど、「料理がまろやかになる」とはあまり思いつかない。あまり考えつかない切り口を考えれば言いたいことの深みが出せます。さらにコピーライティングをするときに言い回しや言葉のチョイスを工夫することで言葉の深みも出すことができます …

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