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THE CREATOR あの人の頭の中

点ではなく、面で攻めるキャンペーンの作り方

佐藤雄介(電通)

いま世の中で話題になっているCMを作っている人たちは、どのように企画を考え、映像を作り上げているのだろうか。今回は、マンダム「ギャッツビー」の広告を手がける佐藤雄介さんです。

(左)ゲスト・佐藤雄介(右)聞き手・足立茂樹

自分を成長させた「振り切った表現」

足立:広告業界に入ろうと思ったのは?

佐藤:子どもの頃から、短編小説やMVなどの「短い表現」が好きでした。当時はYouTubeがなかったので、海外のサイトから1時間ぐらいかけてMVをダウンロードして見ていました。高校生の時にJUDY AND MARY、ラルク アン シエルのMVを見て、それをTUGBOATの多田琢さんが企画していると知りました。「バザールでござーる」やBOSSのCMも好きだったこともあり、CMプランナーという仕事に就きたいと思うようになりました。

足立:大学時代にはACC学生CMコンクールの大賞を受賞していますね。

佐藤:このまま学生生活を送っていてもCMプランナーにはなれないと思い、それで何かきっかけをつくろうとコンクールに応募したんです。また、実際に映像をつくってみて、自分は演出よりも企画や全体の設計のほうが向いていると思いました。

足立:実際にCMプランナーになってみて、学生時代の感覚と変化はありましたか?

佐藤:学生時代は自分のアイデアがそのまま世の中に出ていくイメージでしたが、そういうわけではないんだ、と思いました。アイデアを出しても打ち合わせで消え、残ってもプレゼンで消え、通ったとしても角が丸くなって当初の企画とは違ったものになっていきます。当時、佐々木宏さんの広告は一体どうやってつくっているんだろうと、華やかな仕事と自分の仕事のギャップに悩んでいましたね。

足立:そこからブレークスルーしたのは?

佐藤:28歳のときにヤングカンヌのフィルム部門に出場し、銅メダル(日本人初)を獲ったんです。でも会社に戻っても特に変わらず、「賞で何かが変わるものではないんだ」と思いました。なので、もう自分でやってみようと。それまでは広告の企画でもどこかブレーキを踏みがちだったのですが、それがきっかけで一度振り切った表現をやってみようと決めたんです。それが、マルコメさんの「ロックを聴かせた味噌汁」というキャンペーン …

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