IDEA AND CREATIVITY
クリエイティブの専門メディア

           

THE CREATOR あの人の頭の中

「面白くしすぎない」ことを意識したスマニューのCM

岡野草平(電通)

いま世の中で話題になっているCMを作っている人たちは、どのように企画を考え、映像を作り上げているのだろうか。今回は、スマートニュースの広告を手がける岡野草平さんです。

(左)ゲスト・岡野草平(右)聞き手・足立茂樹

入社2年目で、澤本嘉光さんに師事

足立:岡野さんが、そもそも広告業界に入ろうと思ったきっかけは?

岡野:大学4年のときに1、2年ほど海外留学しようと思っていたところ、事情があってそれが難しくなってしまい…。そんなときに当時、電通のADだった父からクリエーティブ塾というのがあるから応募してはどうか?と話がありました。父としてはそれをきっかけに就活してくれたら、と思ったんでしょうね。その話があった日が入塾選考の課題を提出する1日前。徹夜で仕上げて何とか入ることができました。それまでは広告に特に興味があったわけではないのですが、通い始めたらコピーやCMを考えるのが面白くて。それがきっかけで電通を受けて、入社することができました。

足立:電通に入社後、新人時代はどのような日々を送っていましたか?

岡野:メンターである先輩コピーライターについて、いろいろと教えてもらいました。2年目にメンターが変わるときに「誰につきたいか?」と希望を聞かれたので、ダメ元で「澤本(嘉光)さん」と言ったんです。というのは、クリエーティブ塾にゲスト講師として来た澤本さんからKDDIの斬新な広告を見せてもらい、「こんな広告があるんだ」と感動した体験があったからです。その頃、澤本さんは36歳。クリエイター・オブ・ザ・イヤーも獲って、業界ではすでにスーパースターでしたが、メンターを引き受けてくれて、それから今に至るまでずっと一緒に仕事をしています。

足立:澤本さんからはどんな教育を?

岡野:当時コピーライターは1000本ノックとよく言われていましたが、澤本さんは何かを強制することは全くなくて、目で「わかってるよな」と語るタイプです。最初の打ち合わせで僕が企画を出したとき、「5案だけで、数が少ないんですけど」と言ったら、「数じゃないから」とパパっと見て、「いいんじゃない」とだけ言われました。その後もダメなコンテに対しては、はっきりとダメと言われましたが、理路整然と「こうしたら面白くなる」と教えてくれました。だから、僕は今まで澤本さんに怒られた記憶がありません …

あと67%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

お得なセットプランへの申込みはこちら

THE CREATOR あの人の頭の中 の記事一覧

「面白くしすぎない」ことを意識したスマニューのCM(この記事です)
点ではなく、面で攻めるキャンペーンの作り方
目の前の仕事にじっくりと取り組むことで見えてくるもの
最後の最後まで「もっと面白くするには?」と考え続ける
日本特殊陶業のブランド広告ができるまで
戸建てが欲しいと思っている人に勇気を与えるオープンハウスのCM
ブレーンTopへ戻る