デザイン・アート・広告賞 今月の展覧会&コンペティション
心をつなぐあたたかな色 柿本幸造の絵本の世界
戦中戦後にかけて、広告関係のイラストを手がけていた柿本幸造。自身が30代後半になってから、子どものための絵を描き始め、『よいこのくに』で初めて挿絵を担当して以降、月刊絵本、図鑑と、その活躍の場を広げていった。鮮やかな色彩やデザイン性の高い構図、乗り物を描く際の精緻な表現など、画面は後年の柔らかな作風とは別の魅力に満ちている。本展では、日産自動車のカレンダーや月刊絵本の挿絵などの初期作品に加え、「どんくまさん」シリーズをはじめとする代表的な絵本など、原画やアイデアスケッチなど約200点を展示する。
心をつなぐあたたかな色 柿本幸造の絵本の世界 | |
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武蔵野市立吉祥寺美術館 開催中、11月11日 10月31日休館 お問い合わせ→ 0422-22-0385 |
宇和島
2004年、美術家・大竹伸朗を案内人に愛媛県の宇和島の町を旅した森山大道。町を歩き夢中で撮った写真は、雑誌「Coyote」創刊号に掲載された。そして、今年5月には雑誌未掲載の写真に再び光をあてた写真集「宇和島」を刊行。森山は2012年にも縁あって宇和島を再訪しており、多数の写真を撮影している。本展では、写真集「宇和島」収録作品全点のオリジナルプリントと、2012年に撮影された未発表作品20点をインスタレーション形式で展覧する。
宇和島 | |
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Akio Nagasawa Gallery Aoyama
開催中、11月17日まで 日曜、月曜、祝日休廊 お問い合わせ→ 03-6427-9611 |
SHIMURAbros「Seeing Is Believing 見ることは信じること」
ベルリンを拠点に国内外で活躍しているSHIMURAbrosは、ユカとケンタロウからなる姉弟ユニット。映画をベースとした制作活動を行い、映像や彫刻、インスタレーションなど、その表現方法は多岐にわたっている。そして、本展では「見る」という行為の本質を問いかける、映像と噴水を中心にした新作インスタレーションを発表。いま見えているのが、世界の本当の姿なのか。「見る」ということを改めて考えさせられる展覧会となっている。
SHIMURAbros「Seeing Is Believing 見ることは信じること」 | |
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POLA MUSEUM ANNEX 10月5日~11月4日 会期中無休 お問い合わせ→ 03-5777-8600(ハローダイヤル) |
五十嵐威暢と世界のコレクション展
1970年代後半から90年代にサントリーやパルコなど、企業のロゴやプロダクトデザインを手がけた五十嵐威暢。その中でも、アクソノメトリック図法で緻密に描かれた立体文字のポスターは、世界30ヶ所以上の美術館等のコレクションになり、その他にも、カード類、傘、ショッピングバッグなどを手掛けている。本展では、実際に世界の美術館のコレクションになっているポスターやプロダクト作品の一部を展示するとともに、1983年から1993年にかけて、MOMAから依頼を受けたデザインの仕事をさまざまな角度から紹介する。
五十嵐威暢と世界のコレクション展 | |
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designshop
10月18日~11月4日 土曜、日曜、祝日休館 お問い合わせ→ 03-5791-9790 … |