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マーケターの心をつかみ始めた「ジェネレーションZ」

アメリカン・イーグル・アウトフィッターズは、ジェンZに好まれているブランド。CMにも、モデルや有名スターなどを起用せず、個性的だが、一般的な10代をモデルとして登場させている。

2015年、『Ad Age』と『The New York Times』が、ほぼ同じタイトルの記事を掲載した。「そこのけそこのけ、ミレニアル。ジェネレーションZ様のお通りだ」(Move Over,Millennials,Here Comes Generation Z)である。

両紙ともここ数年、米国のマーケティングの寵児だったミレニアル(現在20~35才)の下の世代が、急速に米国のマーケターたちの関心をつかみ始めている事実を伝えていた。そして両紙とも、この新しい団塊を"Generation Z"(以後、ジェンZ=GenZ)と命名していた。

ジェンZとは、どのような人たち?

とはいえ、ジェンZの定義はいまだにあいまいで、彼らをくくる年齢層についてはいろいろな説がある。大きく言えば、現在12才から19才までの団塊とされている。

米国史上、最も多種人種で構成されているこのグループ(白人55%、ヒスパニック24%、黒人14%、アジア他4%)は、数にして8470万人、米国人口の26%を占め、ベビーブーマーよりも、ミレニアルよりも大きい団塊である。

だが残念ながら、このグループに関する調査や理解は、いま始まったばかりである。これまでもマーケターもリサーチャーも若く、パワフルなミレニアルを理解することに全力投球し、そのすぐ後ろに続いているジェンZについては「まだ子ども」と、そっけない態度をとってきた。今年、彼らが大学に入学する年齢になり、その可処分所得が440億ドルに届くと知ると、マーケターも、リサーチャーも、こぞってこのグループの調査やサーベイに乗り出した。そして、いまだ白紙に近いこのグループを理解するために、すでにさまざまなデータのあるミレニアルを基準としている。

しかし驚いたことに、ジェンZにはミレニアルとは全く違った基準が必要であることがわかり始め、これもまた、マーケターを慌てさせている原因になっている。

ミレニアル VS ジェンZ

どんな世代でもそうだが、親の影響は強い。ミレニアルとジェンZとでは彼らを生んだ親たちの価値観や社会的環境が違っていた。

ミレニアルの親はベビーブーマー、ジェンZはベビーブーマーに続いた小さな、目立たない団塊であるジェネックス(Generation X)だ。自分の興味や生き方に強い関心を持ち、何かにつけて尊大な態度を持つベビーブーマーに育てられたミレニアルは、親と同じように壮大な"アメリカン・ドリーム"を信じている。高等教育を信じ、大学を卒業すれば、仕事は自分たちを待っていてくれる(実際にはその反対だったが)。さらには、どこに行っても自分たちを助けてくれるサービスが得られると信じている。

一方、ジェンZは、これとは全く反対の態度や価値観を持っている。まず、彼らは"アメリカン・ドリーム"を信じない。成功は、幸運や外から与えられるものではなく、自らが働いて勝ち取るものだと信じている。テクノロジーに関する考え方もミレニアルとは違う。ミレニアルはインターネットのパイオニアであったが、ジェンZは真の"デジタル・ネイティブ"である。インターネットの無かった時代は知らないし、想像もできないのだ。

ソーシャルメディアの使い方も両者では異なる。ミレニアルはFacebookの世代だ。一方、ジェンZの多くはFacebookを嫌っている。かわりにInstagram、スナップチャット、Twitter、YouTube、Vineなどを使って、友だちとコミュニケーションする。彼らの76%はスマートフォンを使い、それを駆使してコンテンツを作り、仲間と交換しあう。

ファッション感覚も同様だ。ジェンZはデザイナーズブランドを避ける。特に、ブランドのロゴが衣服の一部に目立つようについている服(ラルフローレンやラコステ、バーバリーなど)は間違っても着ない。アバクロンビー&フィッチは避け、アメリカン・イーグル・アウトフィッターズを好む。

マーケターにとって最も重要なジェンZの特徴は、ミレニアル以上にアテンション・スパン(注意持続時間)が短いことだろう ...

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