「ポイ捨ては、心の落としもの。」(1996年、田中安住)他
広告を目にする時、多くの人が無意識で見ていると思います。そんな中で見た人の心をいかに動かすか。「完成度より伝達度」という言葉を電通関西のクリエイティブの先輩から教えてもらったことがあります。伝わるものをつくること。そのためにはまず目立つ。相手の気を引く。で、伝える。超シンプルな考え方ですが、今でも企画やコピーを考える時に大事にしています。今回は自分の中に強烈に残った伝達度の強い3本を選びました。
名作コピーの時間
ザ・ウールマーク・カンパニー(旧:国際羊毛事務局)/1982年○C/西村佳也
ラコステ ジャパン(旧:大沢商会)/1993年○C/広瀬正明
キューサイの青汁/1990年○C/八名信夫
触ってごらん、ウールだよ。当時田舎の小学校に通っていたわたしは、この広告にバイラルのすごさを教わりました。男子も女子も互いを気にしているのに、素直になれなかったあのころ。触ってごらん、ウールだよ。は、そんなわたしたちを解放してくれる、魔法の言葉でした。
目をつぶってこのコピーを唱えるだけで、すきなコに触ることができる。あのコも笑顔で歓迎してくれる。なんてすばらしい呪文だろう。男子も女子も、タガが外れたように触りあっていました。ウールを確かめたいのか、体温を確かめたいのか、わからないほど。それくらい熱狂していましたね。あのときの指先の震えを …