私的に好き、でいいのかも。
オタク気質じゃないことが、コンプレックスです。何の疑いもなく好きな物をまっすぐに好きと言えて、熱く語れる人はかっこいいし羨ましい。かたや自分には趣味らしい趣味もなく、推しらしい推しも特にない。「いちばん好きな◯◯」みたいな質問に答えることにも苦痛を感じて生きてきたので、コピーを3つ選んでよい今回は、いくらか気持ちが楽でした。
名作コピーの時間
ザ・ウールマーク・カンパニー(旧:国際羊毛事務局)/1982年○C/西村佳也
ラコステ ジャパン(旧:大沢商会)/1993年○C/広瀬正明
キューサイの青汁/1990年○C/八名信夫
触ってごらん、ウールだよ。当時田舎の小学校に通っていたわたしは、この広告にバイラルのすごさを教わりました。男子も女子も互いを気にしているのに、素直になれなかったあのころ。触ってごらん、ウールだよ。は、そんなわたしたちを解放してくれる、魔法の言葉でした。
目をつぶってこのコピーを唱えるだけで、すきなコに触ることができる。あのコも笑顔で歓迎してくれる。なんてすばらしい呪文だろう。男子も女子も、タガが外れたように触りあっていました。ウールを確かめたいのか、体温を確かめたいのか、わからないほど。それくらい熱狂していましたね。あのときの指先の震えを …