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すべては「ハチクロ」から始まった スタイリスト谷川夢佳さんの選んだ4冊

谷川夢佳

クリエイターのオフィスを訪ねると、よく見かける、大きな本棚。忙しい仕事の合間に、クリエイターたちはどんな本を読んで、どのように仕事に生かしているのか。第75回目は、スタイリストの谷川夢佳さんに、自身の仕事や人生に影響を受けた本について聞きました。

当初の『CUTiE Comic』(宝島社)連載時の単行本表紙。
その後全巻シリーズは集英社から発行。

『ハチミツとクローバー』

羽海野チカ(著)
(宝島社)

中学一年生の頃、美術学校出身の叔母が勧めてくれたのがこの漫画。それまで読んできた漫画のテイストとは違って、読み慣れるまでに時間が掛かった。けれど、当時、決して敵わない大人な存在だと思っていた「大学生」たちが、ハチクロの中では、とても愛らしく、人間臭く、もがいたり、遊んだり、まるで自分と同じようなことで悩んで、楽しんでいる姿に愛おしさが溢れて、気づいたら「恋」に落ちていた。中三の九月に最終巻が発表されるまで、ハチクロの単行本発売日が人生最大の楽しみだった。今に繋がる沢山の影響も受けた。登場人物たちの服装や、美しいカラーイラストを眺めながら感じた、強いときめきや、憧れが、そのまま今の仕事に導いてくれた。アニメ化の曲を通じて、スピッツやYUKIの音楽に出会えたし、映画化のおかげで、蒼井優ちゃんの演技にも出会えた。その少し後、高校生の時に観た、優ちゃんのドラマ「おせん」での着物姿が夢のように可愛くて、スタイリスト・大森伃佑子さんの作品を追うようになり、憧れ募ってスタイリストを目指した、という話は何度もしている。この本から広がった世界は、計り知れない。あの時、ハチクロに出会って、「恋」をして …

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