三井不動産レジデンシャルは2014年9月に、特設サイトで「タイムスリップ!堀部安兵衛」(以下 堀部安兵衛)の公開を開始した。制作を手がけた髙崎卓馬さんは「通常のWeb動画と一線を引いた」と話す。
CMの延長線上ではつくらない
本作品は、忠臣蔵の舞台である吉良邸討ち入り最中に現代へタイムスリップしてしまった超堅物の剣豪・堀部安兵衛が、現代で不動産会社のサラリーマンとして働くコメディ。大森南朋、神木隆之介、高畑充希といった人気俳優が出演し、主題歌を斉藤和義が歌うこの作品、視聴時間は30分を越える。公開前には、映画さながらマスコミを集めて試写会も開催した。「一般的に見ればWeb動画の範疇かもしれませんが、これは言わば映画館ではなく、“Web上にある映画”。見せ方、PRの仕方などすべてにおいて通常のWeb動画とは一線を引きました」と話すのは、電通 髙崎卓馬さん。「堀部安兵衛」では、企画と脚本を手がけている。
「不動産広告ゆえに制約が多く、通常の広告でのコミュニケーションに限界を感じている。それを打ち破るべく、新しいコミュニケーションに挑戦していきたい」。三井不動産レジデンシャルの想いを受けて、高崎さんがまず考えたのは、Webをコミュニケーションの入口にすること。不動産を検討する人は、必ずネットで検索をする。そこに絶対に見たくなる面白いコンテンツを提供すれば、より深くコミュニケーションを取ることができる場になると考えた。
このとき重視したのは、徹底的に「面白い」コンテンツをつくること。「個人的に、これまでWeb動画を見たときに、面白いと思うことがほとんどありませんでした。面白くない理由のひとつは ...