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YKK「FASTENING DAYS」

ファスナーのグローバルブランドとして知られるYKKは、ショートアニメ「FASTENING DAYS」を制作。10月末に公式 YouTubeチャンネルとスペシャルサイトで公開を開始した。



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“近未来の商品”をアニメで描く

「FASTENING DAYS」は現在、日本語、英語、スペイン語、フランス語、中国語(簡体字/繁体字)で公開されている。制作の目的は、同社のブランディングメッセージである「"つなぐ"ことの大切さ」をテーマに、ファスニング事業のタグライン"Little Parts. Big Difference."を世界に伝えること。監督には、注目のアニメ監督スタジオコロリドの石田祐康さんを起用。また、エンディングテーマには、2014年10月~11月に世界5都市で「Perfume WORLD TOUR 3rd」を開催した、Perfumeの楽曲を採用している。

舞台は、近未来のとある街。ヨージとケイという二人の主人公がハイテクマシンを駆使して活躍するストーリーだ。ファスナーも登場するが、それは街の中のさまざまなものをつなぐアイテムとして、本来とは違う使われ方で描かれている。「ブランディングコンテンツの場合、商品を前面に出さないことが多いと思いますが、今回はストーリーを盛り上げるアイテムとして思い切り使っています」と話すのは、企画と脚本を務めたクリエイティブディレクター田中淳一さん。

BtoB企業ゆえにCMを制作していないYKKは、これまでイベントの出展を通して自社の製品をPRしてきた。そこで一定の成果が出たことから、新たな形で取り組むべくスタートしたのが、アニメーションの制作だった。「若い世代へのアプローチを考えての企画だったのですが、YKKは世界70カ国以上で展開するブランド。動画であれば、グローバルでの展開も可能になる。当初はエッジの効いたアニメーションの制作を検討していましたが、グローバルで展開するにあたり、幅広い世代に受け入れてもらえるよう、企画をシフトしていきました」。

YKKがアピールしたいのは、主に各国の若い世代。彼らにYKK=ファスナーであることを認知してもらうためには、やはりファスナーをアニメーションの中で描くことは不可欠だった。しかし、商品を多用すると、動画視聴者からは敬遠されかねない。そこで田中さんは ...

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