ゲーム内で広告を出稿したり、コラボレーションする事例が増加している。ホンダパワープロダクツは2023年3月9日より、α~Z世代に向けたグローバルキャンペーン“Honda Rewired”を開始した。活用したのは、全世界で2億人以上がプレイする「Roblox」。取り組みの背景について、本田技研工業の金塚征志氏に聞いた。

Honda Rewiredのキービジュアル。
世界2億ユーザーの「Roblox」でゲームとモジュールを提供
ホンダパワープロダクツのグローバルキャンペーン“Honda Rewired”では、プラットフォームとしてアメリカのRoblox社が提供する「Roblox」を活用した。「Roblox」はアバターを作成してゲームをプレイできるほか、自らゲームを開発し、公開することもできる自由度の高いオンラインゲーミングプラットフォーム。プレイヤーは全世界2億人以上で、10~20代を中心に1日あたり5800万人以上が利用しており、日本国内でもIT・プログラミング教育の場やSTEAM教材としても普及しつつある。
ホンダパワープロダクツでは今回、オリジナルのメタバース空間を展開するとともに、ブロワーや芝刈り機、耕うん機、除雪機といった8種類の製品をモジュールとして提供。プレイヤーはこれらを活用し、ミッションとしてメタバース空間内の住民の抱える悩みを解決していく。
今回のキャンペーンについてパワープロダクツ事業統括部の金塚征志氏は、「若い世代とのコミュニケーションが課題になる中で、バーチャル空間でのユーザー体験を通じ、接点をつくれないか、と『Roblox』活用の検討を始めました」と話す。
同社が主力とする芝刈り機や除雪機は、生活の中で認識することはあるものの、子どもが扱うには危険が伴う。これまでもイベントで実機体験なども行ってきたが、バーチャルであれば人員やコストに左右されない。より多くの人に、手軽に製品のことを知ってもらうにはどうしたらよいか。
そこで、実機に限りなく近いデザインと機能を提供でき、かつユーザーが二次的、三次的に活用できる「Roblox」がプラットフォームとして選定された。元々はZ世代向けのアプローチとして考えていたが、結果的に「Roblox」ユーザーの多くを占めるα世代との接点をつくることができたという。
製品以外の場で接点をつくる「FLAT」の取り組み
同社では2021年から、製品のみでは接...