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SNS時代 新しい「ブランド」のつくられ方

グローバルのハブとなりブランドを向上 「KUBOTA FUTURE CUBE」の戦略

廣瀬文栄氏(クボタ)

クボタは2022年6月、同社の未来に向けた事業活動を紹介するWebコンテンツ「KUBOTA FUTURE CUBE」を公開した。近年、長澤まさみさんを起用したテレビCMを中心に消費者向けのコミュニケーションを実施してきた同社だが、今回のデジタルコンテンツの拡充の狙いはどこにあるのか。KESG推進部でブランディングを担当する廣瀬文栄氏に聞いた。

「KUBOTA FUTURE CUBE」のトップページ。音楽が流れ、没入感をもたらす。

ターゲットは理系のエンジニア CMよりも深い理解を促す

クボタは2016年、国内での認知度向上を目的としたブランド強化プロジェクトの開始を発表。2017年1月より俳優の長澤まさみさんを起用し、テレビCMや新聞、Webサイトなどでのコミュニケーションを強化してきた。

そして2021年、長期ビジョン「GMB2030」を発表。これまで同社が取り組んできた「食料・水・環境」の各事業が連携しながら新たなソリューションを生み出すことが、未来の課題解決につながると位置づけた。

そうしたなかで2022年6月22日に公開されたのが、Webコンテンツ「KUBOTA FUTURE CUBE」(日本語版/英語版)だ。

舞台は未来の地球。ローポリゴン風フルCG映像と2.5Dイラストを使い、クボタが思い描く、カーボンニュートラルと資源循環が両立した豊かな暮らしを描く。

主なターゲットは、20代から30代のビジネスパーソン。「なかでも、理系のエンジニアの方々に見てほしい」と、KESG推進部の廣瀬氏は語る。

「目的は新卒・キャリア採用や、テクノロジーで連携していくパートナー企業の方々に、私たちの取り組みと、思い描いている理想の未来を伝えていくこと。当社が過去と現在までに取り組んできたことと、将来的に解決しうる課題について表現し、CM以上に深い理解を促し、“ともに取り組んでいきたい”という想いを抱いてもらうことをゴールに設定しています」。

トップレベルのクリエイティブで壮大な世界観を描く

同コンテンツは、電通関西支社とmountが全体の企画・設計を行い、イラストレーターJames Gilleard氏のイラストとコンセプトアートをもとに、CGプロダクションjittoと映像ディレクター/音楽家の村井智氏が3DCG映像に仕上げた。

「当社の売上げは、約75%が海外。社員も含めたステークホルダーの皆さんから“日本企業がつくった日本のお話ね”...

あと60%

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