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SNS時代 新しい「ブランド」のつくられ方

カンロのZ世代プロジェクト 「透明なハートで生きたい」の波及効果

河野亜紀氏(カンロ)

カンロによる「Z世代 飴の原体験共創プロジェクト」から生まれたキャンディ「透明なハートで生きたい」。思わず誰かに共有したくなる商品名とパッケージは、SNSを中心に話題を呼び、発売後すぐに品薄状態となった。ヒットの背景について、プロジェクトリーダーを務めた河野亜紀氏に聞いた。

    DATA

    カンロ
    透明なハートで生きたい

    発売日:2023年5月16日

    コンビニエンスストアで販売したコンパクトタイプ(店舗により完売)。デザインはその日の気分に応じて選べる6種類で、裏面にはそれぞれ表面デザインと連動した、ポジティブな気付きを与えるストーリーを記載している。7月18日には個包装タイプの新商品が発売され、秋以降スーパーマーケット等でも順次展開予定。

言語化しにくい複雑な感情をひとつずつ拾い上げる

現役高校生でモデル・タレントの3名を「キャンディディレクター」に迎えて開発された「透明なハートで生きたい」。商品のコンセプトやメッセージ、フレーバーからパッケージまで、対象顧客である高校生の生の声を取り入れたことが特徴だ。

プロジェクトではまず、カンロ社員間での座談会や現役高校生との座談会を10数回にわたり実施。飴が持つ価値や、Z世代の価値観を洗い出した。その後キャンディディレクターを招き、月に1回、約3時間のミーティングを半年間積み重ねて、感情を深掘りしていったという。

リーダーの河野氏は、「アンケートだけでは複雑な心境を言語化できない部分も多い。彼女たちの声をひとつずつ拾い上げ、掘り下げていくことの重要性を感じました」と話す。

「一日の中でもテンションの揺らぎがあって、つながりや愛を感じたいと思っていること。そこに、私たちの提供する飴でどのように寄り添えるかを突き詰めていきました」。

例えば、「飴を舐めてどんな気持ちの変化があると嬉しいか?」とパターンを10案提示。そこから分類していき、パッケージや味のコンセプトに落とし込んでいった。

また販売チャネルはコンビニエンスストアと駅売店に限定した。

2021年8月にデジタル...

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