スポンサー契約において、企業はどのように応援するチームやコミュニティを検討しているのか。また、既存のファンコミュニティに対し、どのような振る舞いが求められるのか。数々のシーンをサポートする浅田飴に考えを聞いた。
「声」「のど」に関する文化を応援 長期的に共に歩めるかが提携の鍵
創業135年という長い歴史を誇る浅田飴。同社は、Jリーグの「大分トリニータ」「FC町田ゼルビア」の両チームをはじめ、バスケットボールチームの「千葉ジェッツふなばし」、落語の公演会場「長崎寄席」といった、様々な団体とオフィシャルパートナー提携を行い、スポーツや文化のシーンを応援している。
このような活動の背景にある狙いについて、浅田飴で総務部長 兼 広報部長を務める玉木卓氏は、「当社では『せき・こえ・のどに浅田飴』というキャッチコピーを掲げており、“声”や“のど”にかかわるシーンを応援することで商品を知っていただくという活動を何十年も続けています。この“声”や“のど”にかかわるという点は、新しく提携を行う際の重要な判断軸となっています」と話す。
大分トリニータの事例の場合、きっかけは当時、監督を務めていた片野坂知宏氏が選手に大きな声で指示を送るため、声がガラガラになってしまっているのを見たファンが「監督のガラガラ声を守ってあげて!」とSNS上で浅田飴にメッセージを送ったことがきっかけだった。
「トリニータの事例をきっかけに、様々なスポーツチームから声をかけていただく機会も増えました。そうした場面で必ずお話しするのが、『一過性のつながりではなく、タッグを組んで一緒に走り続けられるのか』ということ。末長く関係性を構築できて、我々としても心から応援できるチームであることを、しっかりと見極めてから提携しています」と玉木氏は語る。
SNSでは嘘のない気持ちを発信 ファンと一緒に推し活を楽しむ
シーンを新しく応援する際、同社では既存のファンコミュニティとどのようにコミュニケーションをとっているのか。
同社の広報活動を担っている小杉寛之氏は、コミュニケーション手段の...