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生活者とブランドの間に独自の関係をつくる データで実現する、真のマーケティング

CCCマーケティング

顧客接点の拡大やテクノロジーの進化に伴い、広告宣伝やマーケティングに活用できる様々なデータの取得が可能になっている。だからこそ目的に合わせた取捨選択が重要に。膨大な情報に、担当者はどのように向き合っていけばよいのだろうか。CCCマーケティングの橋本氏に、これからのデータを基にしたマーケティング活動の可能性について話を聞いた。

CCCマーケティング
新規事業Division General Manager
橋本直久氏

2001年PR会社プラップジャパン入社、その後NTTグループにて広告や事業開発に従事し、2014年CCCグループ入社。現在、7000万人のT会員が生み出す購買データと、それに直接つながる全国約46万人のTV視聴データを活用して、新しいマーケティングサービスを開発提供中。

あらゆるタッチポイントをカバー 循環型マーケティングを提供する

TSUTAYAのレンタル会員証として1983年に発行されたTカード。その後2003年に共通ポイントサービス「Tポイント」がスタートし、現在約5500社、多種多様な業種・業態の利用データと連携している。

最大の特徴は、全国のT会員のデータを起点とした、「人」に紐づくシングルソースパネルであること。Tカードを年に1回以上使用するユニークユーザー(UU)数は約7000万人超。そのうち1カ月に1度以上使用している会員が約4000万人超。生活者に対する様々なタッチポイントでの情報を時系列でつなげたり、異なるセグメントで掛け合わせたりと、課題に応じて自由自在な分析が可能になっている。

新たなマーケティングサービスの開発に携わるCCCマーケティングの橋本直久氏は、同社が取り組む領域についてこう説明する【図表1】

図表 CCCマーケティングのソリューション領域
デジタル化で取得可能な情報が増えていくなかで、同社が提供するソリューション領域も拡大していった。

「私たちは元々、“共通ポイント”、いわゆるCRMの仕組みを企業に提供している会社でした。そこで広告という領域には進出しておらず、DM配信やサンプリングといった、より生活者に近い販促領域のソリューションを中心に展開するなど、主にダイレクト系の企業にデータを活用いただいていました。しかし生活者と企業双方のデジタル化が進み、例えばテレビの視聴データが取れるようになり、さらに、それをデジタル広告のデータや購買データと連動することも可能に。そこで当社でもTポイントの購買データを基軸にメディア接触に関するデータをつなげ、広告効果の測定に資する提案を実施。また購買だけでなく、会員の意識やライフスタイルに関わるデータも取得することで、広くマーケティングの仮説設計に資する提案をさせてもらうようになりました。いずれの場合もリアルとネットをシームレスに行き来するような情報が求められるようになっていることに対応してのサービスの拡大です」。

インターネット広告伸長の背景に加え、昨今のサードパーティクッキー廃止などデータプライバシーに対する企業側の関心の高まりも、同社の事業に追い風になっている。例えば、加盟する小売店などでの購買データも、同社にとってはファーストパーティデータ。日本国内ではECよりも店頭での消費が多いなかで、そこを横断的に取得できるのも同社ならではの強みだ。

「しかしそこで囲い込みをするのではなく、クッキーや広告識別子などを含む様々なIDを、各々専門とするプレイヤーとつなぎあわせて、広告主の方々にも届けていく。そうした役割を担っていきたいと考えています」と橋本氏は話す。

2020年10月にリリースした「Market Watch Target Heatmap」では、約7000万人のT会員の購買データと約46万人のテレビ視聴データを掛け合わせ、CM出稿枠の価値を可視化。11月には「TポイントAds」として、デジタル広告出稿サービスを開始した。生活者とのタッチポイントをフルファネルでつなげていきながらPDCAを回す、循環型のマーケティングを提示していきたいと考えている。

「今後も『Market Watch Target Heatmap』のように、“メディアの価値を高める”ことにも注力していきたい。そこに賛同いただけるプレイヤーの方たちとひとつずつ事例をつくっていきながら、さらなる可能性を探っているところです」。

効果検証の肝になるのは最終顧客の設定

前述の通り商品購入という、“リアルのコンバージョン”を取ることができるのが同社の強みだが、その売上に関わるのは、当然ながら広告だけではないと橋本氏。「広告が良かったのか。商品が良かったのか。はたまた飲料などの場合には天候も売れ行きを大きく左右します。結果に対して良かった理由、悪かった理由を、データ起点できちんと検証する必要があります」とし、さらに、分解すべき要素のひとつに最終顧客の設定があると話す。

顧客には当然、様々なタイプがいて、さらに、ある一人のふるまい方を見てもその時々の好みや気分で購買行動は変わってくる。かつてのように全員に同じメッセージを伝えて、全員が納得する環境ではなくなってきている。自社は誰をターゲットにしているのか。どんな生活者がどんな状況で利用しているのか。そこを詳細に分解して分かりやすく提示することで、新たな課題や解決策を見出していく。

例えば“顧客のロイヤル化”という目的があるとして、カテゴリーのなかで他社と比較して、ライト層のロイヤル化に課題があるのか。あるいは、ロイヤル層のさらなるロイヤル化に課題があるのか。企業やブランドによって、その焦点は様々だ。

「ビールブランドで非常にロイヤルティが高いユーザーは、何のCMを見ても結局自分の好きなブランドを買い続けることが多い。それならば、ロイヤルユーザーを除外した層や、最近購入した人にCMを当てたほうが、効果は高いと思うんです」と橋本氏。

「テレビCMは“知らない人に知ってもらう”もの。もっとシンプルに、ターゲットを選定する必要があるのではないでしょうか」。

データの意味を読み解き、価値を明らかにしていく

“データは米”という言い方がある。「米って加工しないと食べられませんよね。今の日本では、米を集めてみたものの『これってどうやって調理するんだっけ?』という状態に陥っています。“レンチンして食べられるごはん”が求められているなら、その中身の材料を分かりやすくするのが私たちの役割。情報をきちんと生かしていくための要所要所で、企業の状況に応じて、分析ツール・データの提供やコンサルティングを行っていきます」と橋本氏。個々に対応していく先で、フォーマットをつくっていくことが今後の課題だという。

「膨大なデータが意味するものを読み解き、その価値を明らかにする。その積み重ねにより、生活者とブランドの、新たな出会い方を提案していきたいと考えています」。

    お問い合わせ

    CCCマーケティング株式会社 新規事業Division テレビマーケティングUnit
    E-mail:cccmktvdataplan@ccc.co.jp
    担当:江本、風間、山下、長島

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