白身のお寿司からアイスクリームまで? 料理で選ぶ「大好物醤油」が店頭で話題に
食に合わせた醤油を提案する。全国各地の醤油蔵の多様な銘柄それぞれに、その醤油に合う料理のパッケージを付け、自身の「好物」から醤油を選ぶ新たな提案をする「大好物醤油」。職人醤油 代表の高橋万太郎氏と本プロジェクトにかかわる博報堂のメンバーに、店頭を基点に話題を広げる同ブランドの戦略を聞いた。
対象顧客に共感される 企業・商品の広め方
住生活領域に特化したソーシャルプラットフォーム「RoomClip」を運営するルームクリップは8月、インテリアD2Cブランド「Kanademono」などを展開するbydesignの子会社化を発表した。600万ユーザー誇るコミュニティを抱えるルームクリップと、D2Cブランド構築のノウハウを持つbydesignがタッグを組むことで、どのような価値が生まれるのか。bydesignの石川森生氏に聞いた。
家具や家電、雑貨などインテリアの写真を投稿・閲覧できる、住生活の領域に特化した日本最大級のソーシャルプラットフォーム「RoomClip(ルームクリップ)」。2021年3月にはソーシャルコマース「RoomClipショッピング」をリリースし、新たな購買体験を提供している。
そんなRoomClipを運営するルームクリップは今年8月、「Kanademono(カナデモノ)」、「Gemone(ジモーネ)」、「Favrica(ファブリカ)」という3つのインテリアD2Cブランドを展開するbydesignの子会社化を決定。それに伴い、bydesign取締役社長を務める石川森生氏がルームクリップの経営に参画することが発表された。
両社の合意について石川氏は、「D2C領域における新たなソリューションの必要性」が背景にあるという。
石川氏は「D2Cの本質とは既存の流通への対策」と考える。既存の流通ではテレビCMに出稿し、高いGRPを獲得してこそ小売店や百貨店といったリアル店舗の棚を確保できるというロジックが確立されていた。これでは、膨大なマーケティング費用を捻出することができないスタートアップ企業が入り込むのは難しい。そんな既存の流通に対して、マス広告を使用せず、比較的コストのかからない方法で顧客の認知・信頼感を獲得し、市場での存在感を高めていったのがD2Cであるという。
「しかし、D2CではWeb広告やSNSなど、認知を拡大するための手段が限られています。さらにWeb広告の価格の高騰などにより、本来テレビCMを打つほどのマーケティング予算がない企業でも、挑戦できたD2Cならではの良さが失われつつある」と石川氏。
このような状況下でD2Cブランドが生き残るために必要なこととは?石川氏は「バーティカルでニッチな領域に投資し、独自の世界観をつくり上げること」が必勝法であると...