デジタル広告の配信を支える技術が急速に発展する昨今、日々変わっていくその全体像をとらえることは難しい。生活者の広告体験向上のためには、どのような取り組みが必要なのか。アドフラウド対策ツールを提供する、Spider Labsの橋本咲彩氏に話を聞いた。
アドテク企業に求められる、急速な技術革新に対する啓蒙活動
アドテクノロジーが急速に発達した昨今。運用する側の実務経験や法整備が追いつかず、その内部がブラックボックス化している現状があります。
特に透明性に関しては、広告配信システムが複雑なことからも広告主側での把握が難しくなっています。このときに、広告主だけではなく広告会社、配信ネットワーク、サービスを提供するベンダーのそれぞれがチェック・認証を行なって、透明性を確保していく必要があるでしょう。
また、プライバシー保護のもとにデータ流通が制約され、一部事業者による寡占化も問題視されています。公平性が失われるなかで、日本企業が二番手、三番手に追いやられてしまい、今テクノロジーの発展そのものにブレーキがかかっている状況です。
内閣官房デジタル市場競争本部により4月27日に...