コンテンツが載るメディア、さらに掲出場所の空間など、時と場所との融合の中で、多様な顔をつくりだすことができるグラフィック広告。グラフィックならではの特性を存分に生かし、複雑なコミュニケーション環境下で機能するグラフィック広告の秀逸事例を紹介します。
Case 01 岐阜新聞社 新聞広告「Stay Home with newspaper」

「グラフィックデザイン=視覚伝達デザイン」という核を突いた、秀逸なコミュニケーションデザインです。リアルに新聞紙を広げる距離だと、見えるのは白い水玉の不思議な模様。でも、2メートル離れて見ると、ソーシャル・ディスタンスの大切さを伝えるメッセージが浮かび上がってくる仕掛けになっています。ステイホーム中でも人々が楽しめる、優れた広告です。しかも、制作したのはデザイン経験のない営業局の若手社員で、原案はパワーポイントでつくったと聞いて驚きました。まさに、「デザイン思考」(國定氏)。
Case 02 江崎グリコ 新聞広告「Pocky THE GIFT」

「ポッキー」らしさである「手が汚れないよう持ち手にチョコレートがついていない」という機能性が、強いビジュアルアイデンティティとしてデザインされています。スティック状のアイコンを見ただけで、長年にわたり「ポッキー」とカスタマーが蓄積してきた思い出が拡がります。「ポッキー」のShare happiness!という価値は基本、食べる時のものでしたが、ビジュアルコミュニケーションを駆使して、箱を開ける前の食べるだけではない価値体験に拡げ、誰かにギフトすることが素敵なことだと思い出させてくれます(八木氏)。
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