会社じゃ聞けない!ソボクな疑問を解決 「SNS」にまつわるQ&A
企業からの一方的な発信にとどまらず、お客さまやユーザーと直接コミュニケーションをとることができる点がSNSの強みだと考えます。またSNSの拡散力を生かし、口コミを活用して商品の売上増にもつなげることができます。自分たちから発信するよりも、フォロワーの方自身が「紀文の商品はおいしいから買いたくなる」と発信してくれる仕掛けをつくります。
宣伝担当者が知っておきたいクリエイティブの基本
「動画をつくりたいから、あの人に依頼しよう!」と思ったなら、さて、その前に、依頼すべき内容は整理できていますか?「動画をつくること自体が目的になってしまった・・・・・・」、現場でよく聞く声です。動画コンテンツはあくまで、何かしらのマーケティング目的を達成するため、課題を解決するための手段にすぎません。そこでクリエイターに依頼をする前に、「目的(ミッション)」「目標(KPI)」「課題」「なぜ動画なのか?」を、言語化した上でオリエンをすることが大切です。
「記憶に残る幕の内弁当はない」という言葉もありますが、短尺が主流のオンライン動画コンテンツにも同様のことが言えます。数多ある動画の中で、視聴してくれた人の印象に残るのは、“ひとつの動画につき1メッセージまで”。そう考えると、おのずと目的によって、メッセージを分ける必要がでてくるでしょう。
また、メッセージを分ける上では、対象者が誰か?も考慮する必要があります。その動画を見るのは、ブランドを初めて知る人か、ある程度は認知している人か、理解した上で購入検討をしている人かによって、刺さるポイントも違うからです。
目的を明確にするために参考になる考え方のひとつが「パーチェスファネル」です。生活者のカスタマージャーニーに基づき、パーチェスファネルを「トップ」「ミドル」「ボトム」に分け、各レイヤーごとに目的を設定。それぞれのレイヤーごとで施策を実行していくと、トータルで見た時にフルファネルをカバーするクリエイティブが構築できます【図1・2】。
このように、パーチェスファネル全体を大まかに捉えるのではなく、ファネルをレイヤーごとに分けて考えてみることで、目的と目指したいゴールが整理でき、見えてくるものがあると思います。
ここで、ファネルの各レイヤー別に、オンライン動画の活用目的として多いものを説明していきます。
まず「トップファネル」は、目的が認知・興味の誘発であり、目標値(KPI)が、リーチや認知/興味率(認知度やブランドリフト)などになります。この目標を達成するためには、まだ商品やサービスを知らない人に「あ、これは自分のための商品だ!」と感じてもらう動画である必要があります(=自分ゴト化)。
目的が購入意向・ブランド好意の「ミドルファネル」は、KPIがエンゲージメント率(好意度)などとなり、認知している人に「このブランド素敵!」と感じてもらう動画にする必要があります。
また、目的が購買検討の「ボトムファネル」は、KPIが行動率(CTR、CVR)などで、「やっぱりこれに決めた!」と検討している人の背中を押すような動画である必要があるでしょう。このように1動画1メッセージの世界では、動画に背負わせる役割を綿密に設計する必要があります。
オンライン動画の活用目的の中で、最も相談が多いのは「トップファネル」領域です。商品/ブランドを認知していない人たちに届けたいという目的は、言いかえると、動画を使うことで“今までのコミュニケーションでは、リーチできなかった”人たちに届けたいということなので、これまでとは違った切り口や企画、アプローチで動画に触れてもらい、振り向かせ、「自分ゴト化」してもらう必要があります。
その際に重要なのは、第三者(メディアやSNSなど)が語りたくなる視点です。SNSなどで、シェアしたいと思った時=自分の感情が大きく動かされた時ではないでしょうか。シェアとは、その情報によってもたらされた自身の感情を、誰かと共有したいという衝動によって生まれるものだと思います。
では生活者が“シェアしたい!”と感じる感情には、どのような種類があるでしょうか。YouTube上のヒット動画(シェア数や再生回数、コメント数の多い動画など)をリサーチし、動画をシェアしたくなる感情を割り出して10に分類したものを「感情トリガー」と名付けました【図3】。動画を世に出す前に、見た人がどんな感情で、どんなつぶやきをしそうか?を想定し、チェックリストにしておくことをオススメします。感情にチェックがつかない企画はシェアされないことが事前に把握できるからです。
ここまで制作の話をしてきましたが、オンライン動画の世界は、制作、納品の時に配信先のメディアを考えるのでは遅すぎます。制作の前に...