地域とつながりながら100歳まで住み続けられる街、100歳まで住み続けたい街をつくる…。地域住民参加型で「人生100年時代」について考える「人生100年を考えようLAB」を立ち上げた野村不動産。同社では、このLABを起点に新しい住まいづくりの取り組みを行っている。同社の冨田福太郎氏に戦略を聞く。
「人生100年時代」に適した日吉のポテンシャル
2019年3月下旬より、レジデンスⅠ棟の入居開始を控えるプラウドシティ日吉では「人生100年時代の住みたい街」をテーマに掲げる。
プラウドシティ日吉は、東急東横線沿線で最大級の総戸数1320戸の分譲マンションを中心とした、大規模複合開発計画。敷地内および隣接地で複合商業施設や健康支援施設の開業のほか、2020年4月には横浜市立箕輪小学校の開校が予定されている。手掛けるのは野村不動産だ。
野村不動産では、2018年より新・街づくり構想「BE UNITED構想」を掲げており、「プラウドシティ日吉」は、この構想にもとづく街づくりの第一弾という位置づけ。
同社はこの構想を実践していくにあたり、マンションの居住者だけでなく街に住む人々にまで開かれた、「ACTO(アクト)」と呼ぶ共用部を導入する新しい街づくりを提案する。ACTOには誰に対しても扉が開かれた場所「あくとびら」、そして活動のきっかけとなる場所「アクション」の2つの意を込めている。
なぜ新しい街づくりを進める、野村不動産は「人生100年時代」というテーマに着眼したのだろうか。同社の冨田福太郎氏は、3つの理由を挙げる。
ひとつは、「人生100年時代」における日吉という場所のポテンシャル。東急東横線には双方向性という特性がある。渋谷と横浜を終点とする同鉄道は上下線どちらも利用者が多いために、沿線地域の資産価値が落ちにくいのだという。またプラウドシティ日吉を開発する箕輪町は行政による高さ制限が設けられている地域。開けた空や自然が残っており、景観にも強みを持っている …