「earth music&ecology」など30以上のブランドを展開している、SPA(製造小売)企業であるストライプインターナショナル。代表の石川康晴氏の想いから、さまざまなサステナブルな取り組みを行っている。中でも「エシカル(倫理的)」をテーマに掲げる、同社の戦略を聞いた。

earth music&ecologyのテレビCM「エシカルへ」篇。洋服を生産するバングラデシュの工場を初公開している。
SDGsに捉われすぎない自分たちのフィロソフィーを軸に
ストライプインターナショナルは、2015年に、事業ドメインをアパレルから「ライフスタイル&テクノロジー」へ転換。カフェ、ホテル、コスメティックなど事業領域を拡大し続けている。そして2019年3月、アパレルメーカーの枠を超えた、次なる発展とチャレンジを続けるため、コーポレートメッセージを「いいこと、しようぜ。」に設定した。ただ服を売るだけではなく、人や社会、環境にとって「いいこと」を実行し、新しい価値を生み出し続けるという想いを込めている。
同社のパブリックリレーションズ本部本部長の石渡佑矢氏は、「当社にはビジネスグッド、ローカルグッド、ソーシャルグッドという考え方があります。持続可能にするためにまず事業のことを考え、それを踏まえて地域、社会に対しての良い影響について考えます」と話す。
それを実現するために、組織体制についても日々進化を続けている。例えばパブリックリレーションズ本部では、その下に6つの部署がある。広報、宣伝、SDGs推進、危機管理、コンシューマーリレーションズ、ガバメントリレーションズと分かれている。その中でも「SDGs推進室」は、経営戦略のひとつとして掲げるSDGsの取り組み加速のために今年2月に設立された。去年まではダイバーシティの部署だったが、それを含めて拡大した形だ。
部署として新設したのには、本気で取り組む姿勢を社内外に伝える目的があってのことだと、同社SDGs推進室室長の二宮朋子氏は話す。しかし、「SDGsという枠組みだけに捉われることなく、自社のメッセージである"いいこと、しようぜ。"を中心に組み立てていくことが大切だと思っています」と、ただ世の中の流れを踏襲しただけではないことを語った …