世界190カ国で、400を超える日用品・食品ブランドを展開するユニリーバ。「サステナビリティを暮らしの“あたりまえ”に」を企業のパーパス(存在意義)に掲げ、社会貢献と事業成長の両立を目指す同社では、プロダクトのマーケティングにおいてもこの方針を落とし込んでいる。同社の戦略について、ユニリーバ・ジャパンのホーム&パーソナルケアマーケティングダイレクター中川晋太郎氏に話を聞いた。
地球環境から人権問題まで企業としての姿勢を明確に示す
ユニリーバ・ジャパンは、同社製品「LUX(ラックス)」「Dove(ダヴ)」「CLEAR(クリア)」のパッケージを最大で95%再生プラスチックを使用したものに8月から順次切り替えることを発表した。深刻化する環境問題の解決に対する、グローバルで見ても先駆的な取り組みと言える。
ユニリーバは2010年に成長戦略「ユニリーバ・サステナブル・リビング・プラン(USLP)」をグローバルで策定。このプランは3本柱で構成されている(図表1)。さらに、この3つの分野に対する9つのコミットメントと、その達成に向けた50以上の数値目標を設定。企業姿勢を具体的な活動にまで落とし込んでいる。前述の再生プラスチックの利用も、具体的な数値目標があるからこそ、踏み切れた施策と言えるだろう。
サステナブルな成長を目指すユニリーバでは、「サステナビリティを暮らしの"あたりまえ"に」というパーパスを設定している。企業の社会に対する姿勢を示すため、パーパスを設定する企業は世界でも増えている。しかし、ユニリーバの取り組みはさらに一歩進んでいる。企業としてだけでなく、各プロダクトブランドにおいてもパーパスの設定に着手しているのだ …