Tポイント、Pontaポイント、楽天ポイントなど共通ポイントプログラムが急速に普及しています。こうしたプログラムに参加する企業・ブランドも多い一方、独自のポイントプログラムを運営し、自社のお客さまとのエンゲージ強化を図っている企業もあります。北海道の地元企業のみが参加する共通ポイントプログラム「EZOCA」を運営するサツドラホールディングスの富山浩樹社長に、その狙いや、顧客データ活用の未来構想について聞きました。
小売りを起点に多角化 「暮らし」にまつわる事業
サッポロドラッグストアーは、スーパーマーケットの一角の、小さな薬局からスタートしました。まだ日本にドラッグストアが存在しなかった1972年に「ドラッグストア」を店名に掲げ、その後、時代の変化に合わせて調剤薬局からドラッグストアチェーンへと転身を遂げました。2017年8月現在、北海道内外に182店舗を展開しています。
昨年8月にホールディングス化を行い、当社チェーンの愛称・サツドラを社名に掲げた「サツドラホールディングス」を設立しました。小売りという顧客との直接接点と、長年にわたって培ってきた地元のお客さまとの関係性、この2つの資産を強みに、ドラッグストアという枠にとらわれない新しい価値を提供する企業を目指すための組織体制を整えたのです。
「リテール×マーケティング」というコンセプトを掲げており、これには「生活をより便利で豊かにする、生活全般にわたるサービスを提供する企業へ生まれ変わろう」という意思を込めています。
ホールディングス傘下には、調剤事業、ドラッグストア事業に、地域マーケティング事業、卸・商品開発事業、エネルギー事業、AIソリューション開発事業、POSシステム開発事業、インバウンドマーケティング事業など8つの事業を展開する企業があります。事業同士は一見、縁遠いもののように見えるかもしれませんが、「小売りという直接接点と地域住民とのつながりを武器に、地域をより豊かにするサービスを展開する」という点は一貫しています。
「地域」を豊かにすると言いましたが、私はこの「地域」を「リージョン」と呼んでいます。リージョンは道州制くらいの規模感の地域ととらえていて、我々にとっては言うまでもなく北海道です。これからの時代、このリージョンという単位の経済圏が、大きな価値を生み出していくのではないかと考えています。
小売りという顧客との直接接点をさらに強固なものにし、その接点を核としたプラットフォームを構築することで、お客さまの暮らしをより便利で豊かにする。このことを通じて、サツドラホールディングスだけの成長を追求するのではなく、北海道を拠点にビジネスを展開するさまざま企業や、北海道のマーケットに商品・サービスをローンチしたい全国区ブランドを巻き込んだ、"北海道経済圏の活性化"を実現したいと考えています ...