次なる照準は「汎用型人工知能」 最先端の研究はマーケティングをどう進化させる?
人工知能の歴史は1956年から始まり、長い間研究が続けられ改良が進んできた。
人工知能、広告界と予測。
成熟社会のマーケティングにおいて重視されているのが「優れた顧客体験」の提供だ。
人工知能が侵出することで、どのような変化・進化があるのだろうか。
テクノロジーをデジタルマーケティング領域で活用するためのアイデアを研究する、「すまのべ!」の二人に聞いた。
アナログとデジタルを融合したスマホ向け電子スタンプの活用も進めている。
IMJでR&D(研究開発)を担う二人組のチーム「すまのべ!」。日々進化するテクノロジーを追い、少し先に実用化できそうなテクノロジーをデジタルマーケティングに活用する方法を考えている。IMJ社内につくられた「すまのべや!」では、過去に取り組みを行ったさまざまなプロダクトが、社内外に向けてオープンに紹介されている。
「オンライン上でのコミュニケーションや、POSデータはデジタル化されてデータ取得できるようになりました。一方、現実のユーザーの行動データや、感情のデータは、いかにして取得するか研究が重ねられているところ。その『なかなか取得できないデータ』を取得するアイデアや、それらをうまく組み合わせてマーケティングに活用していく方法を中心に研究を重ねています」とチームの一人、加茂春菜氏は説明する。
リアルな行動からデータ取得をすることになるので、センサーの技術や、Pepper(ペッパー)など「センサーのかたまり」と言えるロボットを活用することが多くなるという。
既存の技術を応用した研究であるのが特徴的だ。例えば、交通系のICカードから読み取れる行動データとPepperを利用して、店舗の接客データをリンクさせたキャンペーンを行った。専用のカードリーダーに交通系ICカードをかざすと店舗で抽選に参加でき、乗車履歴や電子マネー利用履歴に応じてPepperが楽しくリアクションをしてくれるというものだ。
ICカードに蓄積された「見えないデータ」を見える化し、店舗でのお買い物体験に楽しく生かせないか?という発想で生まれたアイデアだ。しかし、「個人情報ではないレベルでデータを利用しているにもかかわらず、なんとなく、自分のことを深く知られていると抵抗感を抱く人は多いですね。『もし人間が同じデータを知ろうとすると、その人のことを深く知らないといけないはずだ』という意識が、漠然とした不安感につながるのだと思います。人間の読み取り方と、コンピュータでの読み取り方は違うのだという考えを少しずつ馴染ませていく必要がある」と同チームの田野哲也氏は話す。
ICカードの行動データとPepperを利用したキャンペーン。
そんな「すまのべ!」の二人は、数年後をどう予想しているのか。
「店舗は、買い物をする場所というより、顧客体験を提供する役割がより強まるのではないでしょうか。商品をより良く知ってもらうための関係づくりの場として...