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ワールド・レポート

2年目も力作揃い!ライオンズヘルス

世界最大の広告賞「カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル」に、昨年新たに加わったアワードプログラム「ライオンズヘルス」。医療・ヘルスケア領域のコミュニケーションにおけるクリエイティビティを顕彰する同賞で、今年、「ヘルス&ウェルネス」「ファーマ」各部門でグランプリを受賞した作品をはじめ、特に高い評価を受けた事例を紹介する。

啓発に必要な「言葉」づくりからスタート 次世代へと受け継がれる資産として高評価

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P&GAlways「Intimate Words」

社会学者、言語学者、医師といった広告界以外の人材の協力も得て、プロジェクトは実現された。

今年のライオンズヘルスには、ヘルス&ウェルネス部門に1430点(昨年は906点)、ファーマ部門に432点(昨年は517点)がエントリーし、それぞれ61点・25点、計86作品が受賞を果たした。ヘルス&ウェルネス部門のグランプリに選ばれたのは、プロクター・アンド・ギャンブルの生理用品ブランド・Alwaysのキャンペーン「IntimateWords」。メキシコの首都・メキシコシティにほど近いオアハカという地域の女性たちに、現地の死因として急増している子宮頸がんを啓発するためのプロジェクトだ。啓発にあたって最も大きな問題は、文化的なタブーにより、この地に「女性生殖器」を表す言葉が存在しないということ。そのため彼女たちは、がんに冒された箇所や、自分の身体の症状を説明することができず、これまで適切な治療を受けることができなかった。

そこで同プロジェクトでは、社会学者、言語学者、医師らの協力の下、女性たちとともに新しい言葉をつくり、それを1冊の本に収録。現地の女性たちに、タブーを打ち破り、自身の身体の症状を説明できるようにしようと呼びかけた。審査員長を務めた英LanglandのECD・Andrew Spurgeon氏は「このキャンペーンは、女性たちが自らの健康を守るために必要なサポートを得るための“声”を提供した。このアイデアの素晴らしいところは、あらゆる年代の女性に適用できるということ。そして、次世代へと引き継がれていくものであることだ。Alwaysの、世界中の女性に対するコミットメントを体現することに成功している。人の人生を変えるクリエイティビティの創出を追求するブランドとしての …

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