旅インフルエンサー・くぼたびらに聞く、行動を促す”動画づくりの3ステップ
地方自治体や地域の企業と連携した観光PRに知見のある2人のインフルエンサーに「その土地に足を運ばせる動画制作」のポイントを解説してもらった。動画を自ら制作する際、またインフルエンサーを起用する際に参照し、地域活性化を図るヒントとしたい。
観光PR施策として、インフルエンサーの起用は効果的な手段のひとつ。しかし単に認知・フォロワー数の多い人に依頼しても投資に見合った成果は見込めない。「地域に足を運ばせる」施策につながるコツを聞いた。
体験に基づく信頼性の高い情報を活用できる点と、より狭く深い層に訴求できる点
実体験による信頼性の高い情報を活用できることです。観光地の有名なコンテンツを一方的にアピールするアプローチとは異なり、インフルエンサーと組んだPRは、各々の感性や嗜好で発信してくれること、そして実際に足を運んだ中で「この景色が良かった」「この食べ物がおいしかった」など、体験談による信頼性が高い点が強みです。価値観が多様化する中、インフルエンサーが発信するのは、世間の声にかかわらず、自分の価値観を通して「良いと思うもの」。そして、受け取るフォロワーはすでにインフルエンサーの価値観に共感している人だからこそ、高い効果を見込めるのです。中でも観光PRの場合、万人受けの良い人よりもニッチな領域に特化したインフルエンサーの活用を勧めます。観光をPRする切り口は様々ですが、例えばお酒に関する投稿をメインとするインフルエンサーに、この地域のご当地料理に合うお酒を紹介してもらうことで、フォロワーにいるお酒好きな人々の関心を集めることができます。このように、訴求する範囲が狭まるほど、狭く深く訴求できるインフルエンサーの効果を発揮できるのです。
施策の課題や目的を明確化した上で、親和性の高さを軸に選定すること
選ぶ際の指標は、フォロワー数だけではありません。フォロワーが多くいるからという理由だけで依頼すると、高確率で期待する効果は得られないでしょう。そこで重要なのは、地域においてアピールできる資産と観光の課題を整理した上で、施策の目的と親和性の高いインフルエンサーを起用すること。施策の目的によって、効果を発揮できるイ…