日本を訪れる海外からの旅行客に人気の観光名所として知られるチームラボの「チームラボプラネッツ TOKYO DMM」。コロナ禍を経て外国人来館者数をさらに伸ばした同施設の、来館者による発話を増やす工夫を聞いた。
東京・豊洲にある「チームラボプラネッツ TOKYO DMM(以下、チームラボプラネッツ)」では、2023年4月の訪日外国人来館数が17万人を突破。日本政府観光局が発表した4月の訪日外客数(推計値)は194万9100人であり、訪日外国人観光客全体に対してチームラボプラネッツに来館した訪日外国人観光客の割合は9%を超えており、訪日外国人の約10人にひとりが来館したことになる。月間の訪日外国人来館数約17万人は、2018年7月にチームラボプラネッツが開館してから最も多い人数になるという。
正しく情報を得られる環境を
「海外から非常に多くの方に訪れていただいていますが、実は、言語対応以外で日本と海外で対応を変えていたり、海外に対してだけ何か特別なアプローチをしていたりといったことではないんです」と、チームラボの工藤岳氏は話す。
工藤氏が所属するソーシャルブランディングチームは、デジタル上でチームラボの情報を正しく拡散することを目的に活動を行っており、その中で、誰でも正確な情報を知ることができ、発信できる環境の整備を実施している。公式サイトには展示や作品ごとにプレスキットを用意し、画像やプレスリリースなどを誰でもダウンロードが可能な状態にしている。
また、来場案内やチケット購入なども行えるチームラボプラネッツの公式サイトは複数言語に対応。Instagramの投稿は、すべて英語と日本語の両方を記載するなどの多言語対応を行っている。
「人間は、良いものを見た時や心が動いた時などに、誰かに伝えたい、知ってほしいという感情が湧く生き物。これは、日本人でも外国人でも同じです。だからこそ、その発話したいと思う気持ちを阻害してしまうことがないよう、できる限り正しい情報を受け取れるような情報の置き方をしています。日本人、外国人、メディア、一般の方、皆に対して同じことです」と工藤氏は話す。そのため、特別な施策はしていないが、外国人に対しても正しく情報を伝えるために、多言語翻訳の際は、単純に日本語を直訳するのではなく、文意が伝わる表現を心がけ…