ポケモンは、地域ごとに「推しポケモン」を選定し、地域とポケモンの魅力を国内外に発信する「ポケモンローカルActs」に取り組んでいる。コラボレーションにおけるポイントはどこにあるのか。
2018年4月に香川県で行われたエイプリールフール企画を機に、ポケモンは「ポケモンローカルActs」を開始。同年12月には「ヤドン」が香川県の「うどん県PR団」に任命され、現在では8道県との取り組みを進めている。「ポケモンローカルActs」は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会で日本に訪れた人々が、競技の開催地だけではなく様々な地域を訪れるきっかけをつくりたいとの思いからはじまったと、「ポケモンローカルActs」を担当するプレイヤーリレーション部ディレクターの須賀大五郎豊秀氏は話す。
「新型コロナにより、地域への移動が難しい状況が続いてしまいましたが、行動制限が緩和されつつある現在、ポケモンを通して地域の魅力を国内外へ発信し、訪れた方に豊かな体験を提供していきたいです」(須賀氏)。
地域の魅力×ポケモンの魅力
取り組みを開始するにあたり、「ポケモンローカルActs」では2つのことを自治体に伝えているという。1点は、国内に留まらず海外にも発信する取り組みにしていきたいということ、そしてもう1点は、ポケモンと地域、双方の魅力の掛け算であるという点だ。「ただ単に『ポケモンと組んだから人が集まる』のではなく、自治体の方にも能動的に動いていただくことで成功する取り組みです。私たちはポケモンの魅力を、自治体の方は地域の魅力を十分に伝えられるよう、取り組んでいます」と須賀氏。
そのため、プロジェクトは地域の魅力や課題を自治体からヒアリングするところからはじまる。
「取り組みの肝となるのが、『どの地域に、どの推しポケモンを選定するか』です。多くの人に“行きたい”と思っていただくためには、納得感のある理由とストーリーが必要です。そのため、自治体の方には地域の資源を整理していただき、伝えていただいた魅力や課題に合ったポケモンを私たちが検討します。当社はポケモンをプロデュースする会社。地域の推しポケモンとなることで、そのポケモンの魅力についても...