インフルエンサーの力を借りる 「足を運んでもらう」広報のコツは?
観光PR施策として、インフルエンサーの起用は効果的な手段のひとつ。しかし単に認知・フォロワー数の多い人に依頼しても投資に見合った成果は見込めない。「地域に足を運ばせる」施策につながるコツを聞いた。
訪れたくなる!観光を促す技
活動への共感や応援したいという気持ちも、その土地を訪れるきっかけとなり得る。ふるさと納税やクラウドファンディングを活用して発信することで、地域の魅力や思いを伝え、体験へと促している事例を紹介する。
飛騨市でホテル業を営む「大田利正さん」が、飛騨市の旅をより満喫してもらえるよう、おもしろガイド= “ワンダーガイド” を繰り広げる。寄付は2万円以上。1件の寄付につき4人まで参加可能で、レンタル時間は2時間30分。ガイドだけでなく、廃線を利用した「レールマウンテンバイク ガッタンゴー」に乗りたい!ローカルな飲食店に行ってみたい!の要望にも対応。
元々は市内でホテル業を営む大田さんが、ホテルの宿泊者からの「レールマウンテンバイク ガッタンゴー」に行きたいが、ひとりでは行きづらいので同行してほしいとの要望に応えたことが始まり。それ以降、“ワンダーガイド” の名称でホテル宿泊者から旅のガイド依頼や、飲食店への同行など、個別の要望があれば対応するという程度で実施しており、告知等も特にしていなかった。
当時、市のふるさと納税は大きく伸びていたが、サービスや体験に関する返礼品が少ないという課題や、市のファンづくりを推進したいとの思いから、2019年にふるさと納税の返礼品としての登録を提案。登録のタイミングで、親しみやすいよう「おっちゃんレンタル」へ名称変更した。2019年9月15日付の岐阜新聞で記事が掲載されたことで知名度が上がり、メディアや他自治体からの問い合わせが集まっている。
無人島「枇榔島(ビロウトウ)」において、環境保全活動を通して新たな魅力を知ってもらうため、南大隅町観光協会が主体となり実施している活動。参加者は海、緑が豊かな枇榔島において海岸に漂着した海ごみを回収する保全活動を実施する。現地参加者は本プログラムの中で、無人島でのスキューバダイビングやフリードリンク制で地域食材をふんだんに使用したランチといった非日常体験を満喫する。
本土最南端の南大隅町にある枇榔島は霧島錦江湾国立公園の特別保護地区に指定されているが、無人島であるがゆえの問題等で保全活動を行うきっかけがないままだった。また、世界的温暖化の影響で海流も変化しており、これまで漂着していなかった海外からの海洋プラスチックごみも目立つようになっていた。そこで、…