報道対応を担当するPRパーソンにとって、気になるのがメディアの裏側。企業取材のスタンスや、プロデューサーや編集長の考えに迫ります。
『神田伯山のこれがわが社の黒歴史』DATA | |
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『神田伯山のこれがわが社の黒歴史』は講談師の神田伯山が「企業の黒歴史」を講談にして語る異色の経済番組。苦労の歴史を笑いにまぶし今に生きる教訓をあぶりだす。チーフ・プロデューサーのNHKメディア総局、伊東恵雄氏は「企業の意味ある失敗をテーマとすることで経済を興味深く見せることを目指します」と話す。
当初は2021年、同局BSプレミアムの「レギュラー番組への道」枠で放送した。1回目で扱ったのは1990年代のバンダイのケース。インターネットをテレビで見られると謳った「ピピンアットマーク」で約270億円もの損失を招くも、後にその担当者らが別商品をヒットに導き活躍するまでを描いた。
23年7月からはNHK総合レギュラー枠での放送が開始している。7月19日には森永製菓のラムネ商品開発マーケティング担当者たちの苦闘=苦労を取り上げた。ソフトキャンデーやキャラメルに比べ売上規模も新商品も少なく地味な存在だった同商品の存在感拡大に向けた長年の営みがモチーフ。
二日酔いの時にラムネがおススメとの情報をもとに出したウコン入りの大人向けラムネはコンビニでの動きが芳しくない。その後、若い女性層に向け女性担当者が開発したお洒落なパッケージの商品も苦戦する。それらの教訓をもとに発売した「大粒ラムネ」は消費者がイメージを喚起しやすいよう昔からあるボトルイラストをパッケージに取り込み1カ月で在庫切れとなる大ヒットに。その数年の苦闘を歴代担当者と上司が出演して伯山と語り合った。
ビジネス上の丁々発止は様々なキャラクターのコマ撮り再現ビデオで描く。森永の回は...