複数のSNSアカウントを運用し、顧客接点を増やしている企業も見られる昨今。100ものアカウントを運用する資生堂インタラクティブビューティーが、ユーザーローカルのSNS分析・運用ツールを駆使して行うSNS発信事例を解説する。
近年、SNSの台頭により生活者の購買行動の変化が著しい。気になるアイテムをSNSで検索したり、インフルエンサーがSNSでおすすめしているアイテムを購入したりと、購買とSNSの関係は強固になっている。
ユーザーローカルが今年4月に顧客企業を対象に行った調査によると、「マーケティング予算が増加したメディア」で最も多かったのがSNSという結果も見られている。
ユーザーローカルの嶋田彩野氏は、「各SNSプラットフォームの強み・特性を意識し、組み合わせて活用することで目的に応じた効果を最大化させることができる」と話す(図)。
しかし、各企業の現場では「ほかの業務もある中での負担が大きい」「運用ナレッジが蓄積されていない」といった声も。同社ではSNS分析・運用ツール「Social Insight」により、このような企業をサポートしている。
約16.4万人の「変化」に対応
資生堂のデジタルトランスフォーメーションを加速させるため、2021年7月にアクセンチュアとの合弁会社として設立した資生堂インタラクティブビューティーでは、「Social Insight」を活用したデータ管理の効率化と戦略的なSNS運用を実現している。
同社では、「パーソナルビューティーパートナー(PBP)」と呼ばれる49名の美容部員一人ひとりがSNSの個人アカウントを持ち、ユーザーとの密なコミュニケーションからファンを獲得することを狙い、日々情報を発信。総アカウント数は100を超える。
「私たちはPBPを『美の伴走者』と定義し、生活者に寄り添い身近で親しみある存在となることを目指しています。そのためにも、個人がメディアとなって情報発信することは重要でした。しかし、単に投稿するだけでは全く目にとまりません。大切なのはフォロワーの変化に気づき、それを全員でシェアすること。そして、変化に即座に対応することです」と資生堂インタラクティブビューティーの松木敬祐氏は話す。
100アカウントに対する約16.4万人ものフォロワーの「変化」を察知し、対応することは通常容易ではないが、「Social Insight」内にある日次でのレポート機能「日報メール」を利用することで、バズった投稿にすぐ気づき、その要因、分析内容を関係者に共有しているという。
また、月次や半期で行う分析レポートの作成においては、「Social Insight」で全アカウントを一括で管理し、統合的な分析レポートを作成することも可能なため、作成にかかる工数を大幅に削減。分析データを見ながら議論したりクリエイティブの改善に当てたりといった時間が確保できるようになった。
他にも、個々のアカウントの投稿画像やキャプション、インサイト数値の比較といったクリエイティブ分析や、キャンペーン分析も実施。ベストプラクティスを発見し、その要因を分析、共有することでナレッジを蓄積し、チームとして成長を続けている。
「今後も積み重ねたナレッジを可視化・共有化することで、情報発信の精度を上げていきたい」と松木氏は話した。
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