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戦略的インターナルコミュニケーション 経営課題に紐づく中長期視点が鍵

りえぞん企画

インターナルコミュニケーション(以下、IC)の重要性が高まる昨今。経営課題と紐づけた“戦略的なIC”の意義について、ブランディングなど企業の後方支援サービスを手がけるりえぞん企画が、IC研究者の山下和行氏と解説した。

先行き不透明な時代において企業が持続的な成長を図る方法として、従業員に投資し個々の力を最大化する「人的資本経営」が注目されている。この一環であるICによって、企業と従業員のつながりを醸成し、従業員エンゲージメントの向上も期待できる。

ICの意義については、「社内向けのコミュニケーション」が日本より活発な欧米企業から学ぶことができる。双方のコミュニケーションのあり方が異なる背景は、市場における「競争力の源泉」を比較することで見えてくる。

まず日本企業の場合、商品やサービスそのものが市場における「競争力の源泉」と考えられているため、広告費などに投資し「製品の良さ」を顧客に伝えることが優先されてきた。一方、欧米では製品・サービスの裏にある企業のアイデンティティやカルチャーこそが「競争力の源泉」となる。「我々は何者なのか(存在価値は何か)」といった点を、顧客だけでなくステークホルダー全体に認知されることを重視しているのだ。

また同時にこうした“目に見えない”アイデンティティを従業員が理解し、製品やサービスに落とし込むことも求められる。そこで従業員へのICを中長期的な視点で実施し、企業理解を促すことが、欧米企業が市場競争で勝ち抜く手段となるのだ。

目的は「従業員の行動変容」

そもそも「IC」と従来の「社内広報」の違いは何か。最も異なる点は「経営戦略と紐づいているか否か」だという。

旧来型の社内広報は、「情報をトップダウン型で伝播させること」が目的となる一方、ICの目的は、自社の経営戦略からゴールを定めた上で「理念やブランドを軸に従業員の態度・行動変容を促す」こと。これに伴い時間軸も、社内広報は「短期的施策の積み重ね」でICは「中長期的な戦略に基づいたPDCA」。費用への考え方も「組織維持のための経費」に対して「組織活性化のための人材投資」と異なる。

「ICは社内変容を促す中長期的な戦略だからこそ、人材への投資という意味合いが強くなります。このため、経営者を巻き込みながら戦略を立てていく必要があります」(菊池氏)。

ではICには、具体的にどのような要素が必要なのか。大枠として、挑戦を歓迎し成長と学びの機会を提供する「人事の仕組み」、社内や取引先含めフラットな関係性を構築できる「心理的安全性の担保」、人との絆を感じられる「内部コミュニケーションの充実」の3方向でのアプローチが必須となる。

これを踏まえ、ICの担当者に求められるアクションは「ゴールの設定」と社内での「仕組みの立案」、そしてツールなどを活用した「具体化」となる。「経営課題からゴールを設定する、その全体感を意識することがポイントです」と山下氏。社内の課題を整理しながら、中長期的な時間軸を踏まえ、どの範囲までを目指すのかを議論することが焦点となる。

「的確なゴール設定から仕組み化できれば、従業員一人ひとりのモチベーションが向上し、業務の結果も目に見えて変わってきます。広報の担当者は制作物づくりなど手段の遂行に意識が向きがちですが、中長期的な目的を見据えて行動できるかが重要ですね」(菊池氏)。



図 従来の「社内広報」と「戦略的なIC」の違い

作成/山下和行氏



りえぞん企画
執行役員
企画営業第1部長
菊池 健氏

インターナルコミュニケーション(IC)
研究者
山下和行氏

    お問い合わせ

    りえぞん企画株式会社
    https://liaison-kikaku.co.jp/
    〒101-0054
    東京都千代田区神田錦町3-15 NTF竹橋ビル4F
    TEL:03-3282-9614

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