企業・団体で活用の進むオウンドメディア。単なる情報では興味を持ってもらえない「企業の情報」をどう魅力あるものとするのか。そこにオウンドメディアが機能する理由から原稿執筆のポイント、日常から実行したい思考法を解説する。
昨今、noteや企業の公式サイトなどを使った発信、オウンドメディアが盛んになっています。企業からの発信というとまず思いつくのは、プレスリリース。あとは、TwitterやInstagramといったSNS。それからオウンドメディアを使った発信ですよね。
なぜ今オウンドメディアか
企業の発信を①プレスリリース ②SNS ③オウンドメディアとすると、①②と比較して、③が最も企業起因で動かせるレバーが大きいのではないでしょうか。というのも、企業側で動かせるレバーの大きさでいうと、③>②>①になるからです。企業側で発信の工夫をできる範囲がもっとも大きいのが③のオウンドメディア。しかし逆に言えば、いちばん工数がかかって、労力もかけなくてはいけないのが③なわけです。なので、目的によって使い分けるのが大切だと思います。
例えば①のプレスリリースは、業界内で注目される広報という目的に関しては、打ち手として有効かもしれません。しかし、企業が伝えたい情報と、メディア・世間が注目する情報は異なることも多いもの。狙い通り露出されるとは限りません。顧客の認知を狙ったり、もっと広い範囲で採用を強化したいと思ったとき、リリースだけでは弱いのです。
では、顧客に対して(広告以外で)発信できる方法というと、簡単に思いつくのは②のSNS。今やSNS抜きに顧客への広報を語ることはできないですよね。一方で、SNSはフロー制のもの。広報担当が頑張って渾身の投稿をつくったとしても、顧客のタイムラインに一度流れたらそれで終わってしまうのが、怖いところです。SNSはその時間帯で見られなかったら終わりなのです。
ではストックになる発信とは何かとでいえば、③のオウンドメディアです。例えば企業の広報用ホームページをつくって、そこに商品や社員などの紹介記事を載せていけば、その記事はストックされたものになります。SEO対策をちゃんと継続して行っていれば、半永久的に検索されて見られるものになる。だからこそ②のSNSでリアルタイムに発信することと、③のオウンドメディアで発信をストックしていくことの両方が必要で、特に③の必要性が最近は注目されていると思います。
前述したとおり、③のオウンドメディアは最も作成に工数がかかります。SNSほど容易に更新できず、SEO対策も必要になる。でも、最近はnoteやはてなブログなど、オウンドメディアを作成する工数をかなり減らしてくれるサービスも増えてきました。なのでより一層注目されているのでしょう。
「共感を呼ぶ」テクニック
ではもしあなたの勤める企業で「オウンドメディアをやってみよう!文章書いてみて!」と言われたとき。1番大切なことはいったい何でしょうか。
それは、「誰に」「何を」書いているのか、意識することです。⋯⋯こう言うと、ものすごく基本的というか、大したテクニックには思えないかもしれません。「誰に」「何を」書いているかなんて、言われなくても意識しているよ、と。しかし実際に文章を書き始めると、よく忘れてしまうのがこの部分です。
例えば、学生のころ宿題として出されていた読書感想文を思い出してみてください。大人になった今思い返してみると、自分が読んだ本について文章でプレゼンするようなものですよね。考えようによっては、企業のオウンドメディアで自社商品を使ってみた感想を書くのと同じことをしていたともいえます。
しかし、読書感想文を書くときって「誰に」書くか、意識していましたか?漠然と先生や親などはイメージしていたかもしれませんが、明確に先生が読むことを意識して書く学生は少ないように思います。また、読書感想文で「何を」伝えたいか、考えたことは...