広報担当者が、実際のテレビ取材においてヒヤッとした瞬間や失敗した出来事から、今、番組制作現場でどのような広報が求められているのかを紐解きます。制作者側の意見も踏まえつつ、取材対応やコミュニケーションの参考にしてください。
出来る広報①
番組側の要求と、社としてできる対応 発信したいことの折衷案を探せる
番組の先の視聴者を意識したコミュニケーションを
社内の要望と番組側の要望がズレているときこそ、広報の出番だ。まずは番組側が視聴者、社会に“伝えたいこと”を広報が正しく理解すること。宣伝の場ではないので伝えたい情報や言いたいことを押し出しすぎるのはNG。一方的に伝えたい情報というのは、番組側だけでなく、その先の視聴者にとっても面白くないものだ。
映像メディアは、テキストメディアに比べ伝わる情報が多いため「ありのまま」の姿が一番魅力的に伝えられるメディアでもある。常に、番組の先の視聴者を意識したコミュニケーションの中で、自社のNGのラインを明確に伝えるようにしよう。
制作者側の声
バラエティ番組だと「社長が失敗」するシーンも見せたりする。「削ってほしい」と言われることもあるが、そうした社長の素顔は、人間味があって温かく、フラットな会社だということも伝わるので全体で見れば会社にとってもプラスになるはず。広報担当者の方が、そうした部分も理解してくださると、すごく面白いものができ上がると思う。
私の失敗談
カメラマンが工場のラインに積極的に入り撮影を行っていたため、作業の邪魔になってしまった時は、少しヒヤッとした。映像として流してほしい想いとの間で悩んだ。(シンクタンク・コンサルティング)
インタビュイーに当社ロゴの入ったパーカーを着せたところ、ロゴ部分にシワを寄せて隠すように言われてしまった。(人材派遣)
時間厳守と念を押したにもかかわらず、店舗の開店時間に間に合わなかった。それによりお客様の動線に配慮できず、お客様からクレームが入ってしまった。(化粧品)
取材に協力してくれた企業の要望とテレビ局側の要望に食い違いがあり板挟みになったことがある。(IT・情報通信)
当社施設の利用時は原則マスクの着用を...