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テレビPR実践編

取材意欲を喚起、テレビ取材に結びつきやすいリリースとは?

井上岳久(井上戦略PRコンサルティング事務所・代表)

新聞や雑誌などのメディアに頻出の企業・商品のリリースについて、配信元企業に取材し、その広報戦略やリリースづくりの実践ノウハウをPRコンサルタント・井上岳久氏が分析・解説します。

今回のテーマは「テレビ取材に結びつくリリース」です。ちょうど私が代表を務めるカレー総合研究所のリリースが10番組ほどに取り上げられたので、この事例をもとに解説したいと思います。

毎年1月に開催している「カレー・オブ・ザ・イヤー」は、カレー界の発展に寄与した企業や団体、個人を表彰するイベントです。長年お世話になっているカレー業界への恩返しとして、一般にはまだ知られていない魅力的な商品を紹介し、発展の起爆剤となることを目的に「カレー大賞」として2014年にスタートしました。

最初は小規模での開催でしたが、非常に多くの方が喜んでくださり、表彰式も年々規模が大きくなっていき、やめるにやめられない状況にまで成長しました。2017年から現在の名称に変わり、通算8回目となります。

カレーで不良少年たちを更生させてきた保護司の女性や、8時間で売れた個数がギネス記録に認定されたカレーパンなど、カレー大學卒業生も含めた広大なカレー情報網を駆使して様々な対象を表彰してきました。

毎年10月になると、カレー大學の卒業生およそ1000人にエントリーシートを送り、推薦する商品や店舗などを募集します。そこから現地調査や現物調査をして候補を絞り込み、12月にファイナリストを決定。年末までに私を含めた6~7人の専門家が審査を行い、各賞を決定します。そして翌年1月22日の「カレーの日」に表彰式を開催するというのが例年の流れです。

今年はご多分に漏れず、感染予防との調整に悩まされました。というのも表彰は10部門あり、なかには10人規模で来場する受賞者もいます。また、取材メディアや運営スタッフも合わせると150人以上が集まるため、ソーシャルディスタンスの確保が困難になってしまうからです。交通費自己負担で遠路はるばる参加したいという方も多く、ギリギリまで迷いましたが、やはりホームページ上での発表にとどめることにしました。

毎年、1月22日の表彰式に対して1週間前にはリリースを配信します。かつては表彰式で結果を発表していたのですが、受賞者が事前に分かっていればメディアも注目する対象を定めて密着取材ができるので、事前告知をするようになりました。

今年は表彰式がなく、密着もできないので、メディアの反応はどうなるかと思っていましたが、ふたを開けてみるとテレビ局から非常に多くの問い合わせがありました。カレーは巣ごもり生活を楽しむのにうってつけの素材で、特集を組みたい番組が多いからです。

『グッド!モーニング』(テレビ朝日)では、私が出演して受賞商品をいくつか紹介しました。他番組では受賞商品をスタジオに手配し、リポーターやMCが味わうなど、BSや地方局も含めて10番組ほどで取り上げられました。もちろん、新聞やラジオでも紹介され、あと追いでいくつかの雑誌に掲載される予定があります。

では、カレー総合研究所が配信したリリースを見ながらテレビ向きのリリースを分析していきましょう。

時期の必然性をアピール

まずはテレビが扱いやすい切り口があることです。情報番組やワイドショーは毎日放送するので、常にネタを探しています。(ポイント1)その日や時期に放送する必然性があると、引きが強くなります。今回のリリースの場合、1月22日は「カレーの日」という切り口を設けてタイトルで強く訴求しています。1982年に全国学校栄養士協議会が、1月22日は全国の学校給食を一斉にカレーにすると決めたのが制定のきっかけで、あまり知られていないため経緯もネタになります。


(ポイント2)情報番組やワイドショーは短期集中でつくるので、多様なテーマを盛り込んでいると好まれます。例えば...

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