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広報部長の心得

ベテラン広報部長3人に聞く「年始の準備、何から注意すべき?」

経営をサポートし、マスコミと向き合い、部員をリードする。そんな広報部長に求められる「心得」を経験豊富な先輩が伝授します。

今月の相談⑹
年始の準備、何から注意すべき?

今年も残すところ2カ月。マスコミ用に来年の年頭所感の準備や年始のトップによる訓示、業界団体の新年会などやることが目白押しです。トップとの調整が多いので主に部長の私の仕事ですが、心掛けるべきことは何でしょうか。

トップも広報も忙しい年末 早め早めの準備を

年末年始は、恒例の広報業務が続きます。ToDoリストを作成して、社内外に向けて抜け落ちていることがないか、また新規に取り組むことはないか、全体を俯瞰することが大事です。

マスコミの新年企画取材や年頭所感、社員向けの年頭メッセージの打ち合わせなど、トップに確認する案件も多々あります。早めの日程調整で、トップのスケジュールを確保しましょう。

新聞・雑誌では、新年の恒例企画としてトップインタビューや年頭所感を掲載することが多く、各業界を代表する企業のトップが登場します。11月の早いタイミングで、企画の有無を自社の担当記者からヒアリングして、取材もお願いします。トップからの情報発信は広報活動のキラーコンテンツです。そして年末には、今年お世話になった方やご無沙汰した方へご挨拶回り。情報交換や新年の取材の種まきの絶好の機会です。

年末年始は何かと慌ただしいもの。早めの段取りで、新年のスタートダッシュを切りましょう。

「ネアカ、のびのび、へこたれず」で企業広報賞

富士ソフト コーポレートコミュニケーション部長 井上喜久栄(いのうえ・きくえ)

ダイエーで広報担当者から課長、部長を経て、スタッフサービス・ホールディングスを経て09年富士ソフトに入社し現職。モットーは、「ネアカ、のびのび、へこたれず」。08年に「企業広報賞」企業広報功労・奨励賞を受賞。

12月決算の企業は より具体的な方針打ち出せ

決算期との兼ね合いが重要です。3月決算の企業の場合は、下期の中間期に当たるので、第4四半期の追い込みを視野に入れつつ、カレンダーに即して年頭所感、年始のご挨拶や懇親会を経て新年を迎えるといいでしょう。その際、干支や時事に関連してトップメッセージを出すのは新年の文脈に華を添えるので効果的です。ただし、他社も同様のアプローチをしてきますので、自社のオリジナリティは忘れずに。また、年内早めに主要な取材や寄稿を済ませておけば、広報担当者は概ね年末年始を大過なく過ごせるでしょう。

一方、外資系の中には12月決算の企業がかなりあります。こちらは年始=新年度となりますので、より事業戦略に即した広報活動が必須です。新年度の注力分野は何か、具体的な施策は…

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