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小さなお店を流行らせる広報術

自社の電話対応のまずさ、見逃していませんか?

吉野信吾(メディア、店舗設計プロデューサー)

電話対応のまずさに辟易

広報担当者はいうに及ばず、会社でもお店でも、電話での最初の対応がその後の展開に決定的な影響を及ぼす。返事の素早さこそが大切である。という、その重要性を意外にも経営者や店主自身が痛感していない。それが本日のサブジェクトです。

みなさんも、こんな経験がおありでしょう。電話をすると電話に出た相手が、根掘り葉掘り質問。「どちらの×××さんでしょうか?」「ご用件はどのようなことでしょうか?」……と散々聞いた揚句、こう言い放ちます「では、おつなぎしますので」と。「じゃあ、いままでお前が質問したことはなんだったんだ!! 聞くだけ聞いて。さっさとつなげよ最初から、バカヤロー!!」と。

いろんな電話がかかってくるからという理由で、受付や電話対応した者がさんざん質問してしまう。だからといって担当者に直接確認したり、説明するわけでもなく、ただ聞いて時間の無駄をさせ、電話をかけた側に迷惑をかけている。そんな意識がまったくない電話対応が増えている現実をご存知でしょうか。電話対応した者がいくら相手に質問したとしても、具体的に何一つ役に立つわけはないのだから、さっさと担当者につなぐ、これができない。

そんな会社(お店でも会社組織になっているところも多く、昼間の業務では同じことがいえる)では、担当者が「いきなりつなぐなよ、用件聞いてからにしてくれ。変な電話もいっぱいあるんだから」と、言っているのでしょう。また、実際におかしなクレームや売りこみ、変な言いがかりのような電話も数多く、即対応するといらぬ時間ばかり取られて仕事にならない、といったこともあるでしょう。

しかし、こういった場合はどうでしょうか?

最初の一言で心証は変わる

例を挙げましょう。

不動産売買の場合、土地に関する詳細な情報である価格、申込者が他にいるか、容積率、建蔽率、地域条例……などは、担当者以外にはわからない。自動車修理工場の場合、エンジンの重整備であれば、現場で作業している人間にしかわからない。フットギアのショップ、いわゆる靴屋さんだって現場の担当者でなければ知らない専門的なスペック、素材、製法、手入れ、修理、モデルの型番……といったものは、電話で対応するだけの人では知り得ないことです。

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