日本唯一の広報・IR・リスクの専門メディア

           

費用ゼロで商品を売るアイデア

年間50万人動員。女性の口コミ生かす農業交流施設

伊賀の里もくもく手づくりファーム

040_02.jpg

来場者との交流を大切にする同施設。「お兄さんに会いたい」と1カ月に4回訪れる子どもも。

三重県伊賀市の農業交流施設「モクモク手づくりファーム」。年間50万人という動員数をキープし続け、1988年の開業から売上も右肩上がり。地産地消の成功例として、全国の自治体や農場からの視察が絶えない。ポイントは、口コミを誘発させる工夫の積み重ねだ。

女性の口コミを促す工夫

「広報予算はもともとありません。すべて口コミを促すシチュエーションづくりで成り立っています」と話すのは、入社20年目、広報担当歴18年目の浜辺佳子氏。開業当初からイメージ戦略を重視し、口コミ誘発を中心とした施策を推し進めてきた。

口コミを促す中で軸となるのが、女性の心を掴むということ。最初に女性の口コミ力を実感したのは、近隣に住むお母さん向けに始めたウインナー教室だ。初めは小さな集まりとして始めた教室だったが、お母さん同士のコミュニティの中で徐々に口コミが広まっていき、最終的には自らバスをチャーターしてバス単位での予約が入るようになった。同社が旅行会社と一緒にパッケージプランを作らずとも、顧客同士がプランして予約が入る。「ほとんどが女性からの支持で成り立っています。あまり広く知られていない、というところもママ心をくすぐるものがあるのだと思います。お中元の季節になると、お母さん同士で顧客リストを作って、一括注文が入ることも。女性の口コミ力のすごさを目の当たりにしてきました」。

広告宣伝をしない、ということも、口コミを促すポイントのひとつ。人の心理として、「派手に広告宣伝しているところは、口コミしたいと思わないはず」と話す。「全国区のブランドづくりを目指すよりも、地域ブランドとして保つ方が長い目で見て生き残れると考えています。大きなコミュニティを狙っていくよりも、小さなコミュニティの支持者を増やす方が大切。それが口コミを促し、人を引き寄せる軸になっているのだと思います」。

あと75%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

お得なセットプランへの申込みはこちら

費用ゼロで商品を売るアイデア の記事一覧

中小企業が予算ゼロで、商品を世に広めるコツ
「畳供養」で1億7000万円の広報効果
年間50万人動員。女性の口コミ生かす農業交流施設(この記事です)
中川政七商店、次なる構想は日本の工芸に特化したPR会社
NHKにレギュラー枠、年間100件以上の露出を引き出す道の駅
ギャルママ×起死回生を図る中小企業にメディアが注目
岐阜の窯元がディオールの目にとまるまで

おすすめの連載

特集・連載一覧をみる
広報会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する