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担当者が語るIRの現場

個人投資家向け説明会は年間20回、「生」の声にこだわる

夢真ホールディングス IR室 課長代理 横溝雄一

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個人投資家向け説明会を全国で年間20回程度開催。

夢真ホールディングスは上場企業で唯一、「建設」に特化した派遣事業を行っています。派遣する人材は「施工管理技術者」と呼ばれ、建設現場の工程管理や図面の作図を主な業務としています。現在、建設業界では、バブル崩壊以降に若手の採用を抑制してきたことで、「高齢化」「若手不足」が進んでおり、その結果、深刻な人材不足に陥っています。実際に作業を行う職人の不足はもちろんですが、当社の派遣する現場の管理を行う技術者へも、人材不足の波が押し寄せてきています。そのため、建設工事の遅延や入札不調が発生するなど、人材不足による弊害が表面化してきています。それとは対照的にこれから本格化する東北復興工事や、全国で老朽化しているインフラの改修・補修工事など、仕事量は増加していく傾向にあります。

このような外部環境の中、当社は業界の人材不足を打開するべく、毎年1200人以上の採用計画を打ち出し、さらに採用する技術者を20代に絞り、今後の建設業界を牽引していく未来のリーダー育成に努めています。

IR活動で大切にしていること、それは「生」であることです。当社のビジネスモデルは人を採用して派遣するという非常にシンプルなものです。だからこそ、小さな外部環境の変化や他社との差別化戦略が、業績に大きく影響を与えます。そのような細かい部分は、いくらIRサイトや会社説明資料を充実させても伝わりづらいものです。また、非常にニッチな市場を主戦場としているので、知名度に関しては、ほぼないに等しいと認識しています。そこで当社では、個人投資家向け説明会を、東京・大阪・名古屋・北海道・熊本など、全国で年間20回程度開催し、会社の生の声を直接投資家の方々にお伝えしています。

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「月次採用実績」を毎月更新し、投資の判断材料に。

個人投資家向け説明会では、以下の3点を意識して行っています。

1.自社の当たり前を疑う

建設業界は専門用語が数多く存在します。社内では当たり前のように使用する言葉でも社外に一歩出たら伝わらないことを肝に銘じ、業界に詳しくない方でも理解できるよう、言葉の選択に注意を払っています。

2. 伝えたいこと=知りたいことではない

会社が伝えたいこととは往々にして、強い部分や調子の良い部分です。しかし、投資家が何を知りたいかという視点に立てば、それだけでは不十分であることがわかります。建設業界の今後の景況感や、労働者派遣法が改正された場合の影響など、リスクファクターを解説し、「伝えたいこと」と「知りたいこと」の最適ポジションを意識しています。

3.説明会の終わりが本当のスタート

説明会が終了すれば、それで終わりではありません。せっかく出会えた投資家の方々に、その後も継続的に当社に注目していただくため、会社のどの経営指標を観察してもらいたいかを伝えます。当社の場合は現在、技術者の採用人数がそのまま売上・利益に直結していく環境ですので、毎月開示している「月次採用実績」をチェックしてもらうことで、投資の判断材料にしていただいています。

当社のIR活動は、会社を知ってもらうこと、そして「なんだか少し気になる存在」になることを目的としています。現在IR部署は私ひとりですが、説明会で出会った方々が「こんな会社知ってる?」と、どこかで話題にしてもらうことで、当社のIR担当者として活動していただいています。今後も「生」にこだわったIR活動で、会社と投資家の距離を縮めてまいります。

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横溝雄一

夢真ホールディングス IR室 課長代理

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