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企業サイトのコンテンツ発掘

編集力とストーリー拡散力を重視。日本コカ・コーラの企業サイト「メディア化」への挑戦

日本コカ・コーラ「Coca-Cola Journey」

企業の"メディア化"という表現が聞かれるようになった昨今、企業サイトにも"外の視点"を大胆に取り入れ、これまでになかったコンテンツを充実させる例が生まれている。

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多彩な"読み物"コンテンツが揃う新企業サイト 一見ニュースサイトのようなこちらのサイトは、今年6月に開設した日本コカ・コーラの新企業サイト。あらゆる分野の"外の視点"を取り入れ、コンテンツを充実させる。

DATA

●運用体制/
運用:インタラクティブ・マーケティング
ストーリーコンテンツ:
<統括・企画>広報・パブリックアフェアーズ本部(佐藤克哉氏)
<編集プロデュース>SHIBUYA PUBLSHING &BOOKSELLERS CEO/編集者 福井盛太氏
<編集協力>フリーランスライター 大山孝弘氏、元『広告批評』編集長/東北芸工大客員教授 河尻亨一氏、フードブロガー/ライター 平野紗季子氏、編集者 星野貴彦氏、ライフスタイルプロデューサー 村上萌氏、ノンフィクションライター 山田清機氏 
※今後も外部執筆者の記事をアップ予定

●パートナー会社/
博報堂(ストーリー編集)、アイ・エム・ジェイ(サイト制作)

●効果測定/
サイトビジター数とともに、グローバルのJourneyでも指標としているEOI(Expression of Interest)スコアを新たに導入。

今年6月にオープンした日本コカ・コーラの新企業サイト「Coca-Cola Journey」。同社社長と竹中平蔵(慶應義塾大学教授)による対談記事やサッカー選手・三浦知良のインタビュー記事など、一瞬ニュースサイトかと思うようなさまざまな"読み物"としてのオリジナルコンテンツが並び、いわゆる従来の企業サイトとは一線を画す内容だ。「まだまだ暗中模索な状況」(広報・パブリックアフェアーズ本部 佐藤克哉氏)と話す一方で、「(新企業サイトが)これからの企業広報の新しいアプローチの一つとなるのでは」と先を見据える。新企業サイト「コカ・コーラ ジャーニー」が現在の形になるまでの沿革について話を聞いた。

ストーリーで新たなファンを掴め

新企業サイトの話が動き始めたのは昨年末のこと。その時点では、「来年の企業サイトにどんなコンテンツを入れようか」と話し始めた程度で、現在のように形を変えるとは予想もしていなかったという。「最終的に据えた目標は、ブランドの新たなファン作り。そこで、従来の企業サイトの形に捉われず、大胆なストーリーテリングを取り入れることが必要だと考えました。そんな中、これまでサイトの運用を全面的に行っていたデジタルマーケティングの担当者と意見を交わし、日本で整理したサイトの目指すべき方向性と、グローバルで新たに立ち上がったサイト"Coca-Cola Journey"で重なる部分が多くあるのではということで、日本版のコカ・コーラ ジャーニーを立ち上げることにしました」。

方向性が固まると同時に、グローバルサイトを運用する米本社のチームに情報収集を開始。そして、新企業サイトの方向性について社内承認を得、年明けからシステム担当者にもプロジェクトに参加してもらうとともに、具体的な予算決めやパートナー選びに入った。「企業サイトで第三者の視点が入るということはこれまでなかったため、実際にどんな運用が最適なのかイメージが湧きづらかった。だからこそ、曖昧なままでスタートさせたくないという思いがありました。どこまでの業務をパートナーにお願いするか、自分の中で整理した上でオリエンに臨んだつもりです」。

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