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企業サイトのコンテンツ発掘

自社サイトの広報効果指標は「のべ接客人分」+「広告換算値」で考える

増井達巳

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納得させるには「共通語」が必須

日本アドバタイザーズ協会Web広告研究会が、これからのウェブマーケティングの傾向として、「トリプルメディア、トリプルスクリーン戦略を考える時代」と発表したのは2010年のことでした。企業のマーケティングや広報活動において、トリプル(ペイド、アーンド、オウンド)メディアを意識することの重要性は定着した感がありますが、特にオウンドメディア(自社で運営する企業サイト)の存在価値を高めることに各企業が取り組んでいるのではないでしょうか。

ウェブサイトの価値を図る指標としては、PV(ページビュー)やUU(ユニークユーザー)という定量的な数値目標を設定している企業がほとんどだと思いますが、ウェブ担当者以外、特に経営層に対して価値を報告(アピール)したり、予算確保の交渉をする際にうまく伝えられない、あまり理解してもらえない状況があります。

2013年5月に沖縄で開催されたBrand Summit Japan 2013でデジタルマーケティング推進の課題解決施策がラウンドテーブルディスカッションで討議されましたが、一つのキーワードとして「"共通語"で話す」というテーマが出てきました。ウェブサイト価値に関する社内調整がうまくいかないという現実を考えるとPVやUUを指標にしたウェブサイト価値では「共通語で話す」ことになっていないことは明らかです。

「共通語」という視点で従来のメディアではどんな指標が使われているのか復習しておきましょう。たとえば、テレビの視聴率やGRPがあります。視聴率は、テレビがどれだけの人に見られているかの指標として広く認知され定着しています。視聴率には「個人視聴率」と「世帯視聴率」がありますが、一般的に視聴率といえば世帯視聴率のことを指します。

また、延べ視聴率 (Gross RatingPoint, GRP) は広告業界においてスポットCMの契約などに用いられる単位で、出稿量と視聴率を基にしたテレビCMの定量指標。数字が大きいほど、多くの視聴者に多くの回数、CMメッセージが届くことを意味します。新聞や雑誌などで用いられる広告(料)換算値とは、ご存知の通り各メディアに記事掲載(広告掲載)された場合の媒体露出効果を、各メディア広告料金をベースに料金換算するというものです。

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