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『SPY×FAMILY』企業コラボの舞台裏

「IPコラボの人」直伝 ブランドとコンテンツの間にある「立脚点」の見つけ方

村上絵美氏(ADKマーケティング・ソリューションズ)

ADKマーケティング・ソリューションズ(以下「ADK MS」)には、社内から「IPコラボの人」と呼ばれているクリエイティブディレクターがいる。村上絵美さんがその本人。これまでに数々のIPコラボを成功させてきた実績の持ち主だ。村上さんの特長は、コラボ実績のある企業からのリピート依頼が多いこと。ADK MS内でも携わってきた事例数は、圧倒的に最多数を誇る。そんな村上さんは『SPY×FAMILY』とのコラボ企画も経験。企画する際、何を意識しているのか。

ブランドとIPの間にある親和性と必然性を見つける

村上さんが『SPY×FAMILY』を起用した企画に携わり始めたのは、サントリーとのコラボレーションがきっかけ。「割るだけ ボスカフェ」という製品において「アーニャキャップ」を提案したことが最初だった。

なぜ、村上さんはそのとき、『SPY×FAMILY』を候補として提案したのだろうか。「当時は、“『SPY×FAMILY』がすごい人気だ”とか、“マンガが異例の売上を記録”など、そういった話題で盛り上がったタイミングでもありました。コラボ先の候補を選定するときは、やはり『旬であること』はひとつの重要な指標になりますよね。

そのほうが話題性の創出も図ることができるので、選定する際の軸としては大きい要素です。でも、ただ“人気だから”という理由だけでコラボしてしまうと、せっかくつくることができた話題が一過性に終わってしまいます。そこで大事なのが、『ブランドとの立脚』。ブランドとコンテンツの間に存在している親和性を見つけて、コラボの必然性をつくる工程なんです」。

ブランドとの立脚点の見つけ方について、実際に携わったBOSSの事例から、村上さんは次のように話す。「BOSSとのコラボを提案した際も、ブランドとコンテンツを繋ぐいくつかの立脚点を企画書で示していきました。

まず大事なのはキャラクターの理解ですね。今回の『SPY×FAMILY』であれば、ロイドとヨルは、本業・裏仕事・親という3つの仕事を日々忙しくこなし、外でも家でも気を張って過ごしている姿が作品で描かれています。その様子はまさに、現代で忙しく働く親の象徴ではないかと思ったんです。そう考えると、『働く人の相棒』をコンセプトとしているBOSSとの相性はかなり良い。これがまず、『SPY×FAMILY』とBOSSとの立脚ポイント1でした。

一方で、アーニャも実はBOSSと同じように『働く人の相棒』として活躍している、ということにも目をつけました。作中にはアーニャが、ピンチに陥っている両親にバレないように裏で超能力を使ってサポートしている描写がたくさん出てきます。これはつまり、『作品内のアーニャの働き=BOSSそのもの』として捉えることもできるのではないか、と考えて立脚点2としました。このように、コンテンツとブランドのことを深く理解していくと、両者が重なるポイントが見えてくるはずです。

その重なる点こそ、立脚点。多ければ多いほど、コンテンツとブランドの相性が良い、運命的なコラボと考えられると思います。ブランドとの立脚点を見つけることは、同時に、他社の企画との差別化につながることも多いです。旬のIPであればあるほど、起用するブランドは多くなる。だからこそ、世に出たときに他と重複してしまうのは最も避けたいところですよね。ですが、立脚点を見つけていくと、他とは違う『ブランドらしさ』も見えてきます。なので、たとえ同じIPを起用していたとしても、最終的に施策として出すときには、そのブランドらしいコラボを生むことができるのです」。

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