意外な企業もコラボレーションを行っている。IPコラボのイメージが全くないサトウ食品だが、2021年からアニメとのタイアップを本格的に開始。着々と成果を伸ばしつつある。ここでは、キャラクターIPコラボで狙った老舗ブランドの戦略に迫った。
「サトウのごはん」や「サトウの切り餅」などのロングセラーブランドを展開するサトウ食品でも、『SPY×FAMILY』とのコラボレーションを実施している。
施策を開始したのは、テレビアニメSeason 1が放送された2022年。「サトウの切り餅」シリーズから展開されている「サトウの切り餅 乳酸菌プラス」のパッケージに、ロイド、アーニャ、ヨルの3人を登場させた。
その後、2023年11月にはコラボ第2弾として、同じく「サトウの切り餅」シリーズから「シングルパックミニ」、そして「サトウの鏡餅」のパッケージでもコラボレーションを開始。第2弾では、アーニャを前面にあしらい、アーニャの髪色を彷彿とさせるピンクのパッケージにした。

(左)2023年11月に発売した「サトウの切り餅シングルパックミニ」。
(中央、右)2022年11月、「サトウの切り餅」ブランドから新発売した「乳酸菌プラス」を訴求するために初めてコラボレーションした。

コラボレーション第2弾となる2023年11月には、鏡餅にも起用。『SPY×FAMILY』一色のパッケージに。中身の餅の部分にもアーニャをプリント。橙、紙垂なども『SPY×FAMILY』仕様とした。
実は、鏡餅の中に入っている餅の形にも仕掛けがある。当商品に入っている餅は「丸餅」で、いわゆる関西や西日本で食べられることが多い形の餅。コンテンツで登場するロイドは、物語の中で西国情報局対東課〈WISE〉所属の凄腕スパイであることから、SNS上では、「鏡餅でロイドが西のスパイだとバレてしまいそう」といったコアファンによる投稿も見られた。
コラボで目指したのはWin-Winの関係
同社でPRを担当している浅川梨乃氏によると、サトウ食品がアニメとのコラボを本格的に始めたのは、2021年。『鬼滅の刃』の起用がきっかけだった。
「今のところ、『SPY×FAMILY』とのコラボパッケージは、餅製品のみで展開しています。