ローソンといえば、さまざまなエンターテインメントとコラボレーションしたキャンペーンが多いというイメージを持つ人も多いのではないだろうか。それらのヒット企画を支えているのが同社の本間 晶氏だ。数々のIPコラボを経験してきた本間氏が、『SPY×FAMILY』が持つ、最近のアニメと異なる “空気感” を語る。
アイドルに、アニメコンテンツ、最近ではVTuberに至るまで、ありとあらゆるエンターテインメントコンテンツとコラボレーションキャンペーンを実施しているローソン。平均で、年間30~50のエンタメコラボを行っている。『SPY×FAMILY』とも、2022年4月に初コラボ。2023年10月には第3弾を実施。さらに12月19日からは第4弾として、劇場版とのタイアップキャンペーンも開始している。

2023年10月に行ったキャンペーンで配布したクリアファイル全8種。
グループ一丸で行った“一大施策”
これら数々のコラボレーションキャンペーンの企画を担当しているのが、マーケティング戦略本部の本間 晶氏。今回の『SPY×FAMILY』コラボも担当している。
「2023年10月の施策では、『対象商品をいくつ買ったら、景品がもらえる』というマストバイキャンペーンと、コラボパッケージ商品の販売、オリジナルQUOカードが当たるXキャンペーン、アクリルスタンドをはじめとした限定グッズの販売、さらにはアーニャによる店内放送に至るまで、多様なバリエーションで実施しました。また、ローソンだけではなくHMVでも限定グッズを販売するなど、ローソングループ一丸となって行ったものです」(本間氏)
これまでと違う“空気感”「ホッとする作品は久しぶり」
これまでもさまざまなコンテンツとのコラボを企画してきた経験のある本間氏だが、『SPY×FAMILY』については、昨今流行しているアニメコンテンツの特徴とは異なる雰囲気を感じているという。
「個人的に、最近人気のコンテンツは戦闘シーンが登場する作品が多いと感じています。戦闘シーンには緊張感と、何より迫力がありますよね。『SPY×FAMILY』も、登場人物の職業がスパイと殺し屋ということもあるので、戦闘シーンはもちろん登場しますが、これまでコラボキャンペーンをいくつも企画してきて感じるのは、このようにホッとするアニメコンテンツは久しぶりだということです。
それこそ昨今は、コンテンツ配信プラットフォームが普及して、より多くの人がアニメを見るようになりましたよね。その分、人気アニメと呼ばれるものも増えました。でも、子どもから大人まで愛されるコンテンツって、少なかった印象です。そういったことを考えても、昨今流行しているコンテンツとは、どこか毛色が違うと感じます」(本間氏)。
アーニャやボンドなど、誰もがとっつきやすいキャラクターが登場することも老若男女から愛される理由なのではないか、と本間氏は話す。例えば、小さな子どもがいる保護者にとっては、見せるコンテンツは気にすることも多いはずだ。だが、『SPY×FAMILY』にはそのような心配要素が少ないため、どこか特定の界隈ではなく、広い世代かつ多くの人々から愛されるのではないかと考えているという。
「社内での反応もとても良いですよ。子どもがいる社員からは...