バンダイが『SPY×FAMILY』とコラボレーションした中でも抜群の生産数と消化率を誇るのが食玩のウエハース。2022年から計3回のコラボを実施しているが、その成果は衰えることを知らないという。次も買いたくなるコラボはどのようにつくられているのか。同社の金岡佑美氏が解説する。
バンダイは玩具だけではなく、食玩の領域でも数々のヒット商品を生み出している。バンダイが展開する食玩の特徴のひとつがキャラクターIPとのコラボレーション。これまでも多くのコンテンツとタッグを組んで販売を行ってきた。
もちろん『SPY×FAMILY』とのコラボレーションも実施。なかでもウエハースは、2022年11月に第1弾の販売を開始し、2023年11月にはコラボ商品第3弾も発売。中身やパッケージデザインを変更しながら、1年以上、長くタッグを組んでいる商品のひとつだ。

左から、第1弾、第2弾、第3弾のパッケージ。
「“あのシーン”をカードに」アニメ化がきっかけになる理由
バンダイが展開するウエハースの特徴は、1個150円程度と低単価で、全国のスーパーマーケットやコンビニエンスストアで購入できる手軽さにある。
これまでも多くのキャラクターIPコラボを行ってきた同社だが、『SPY×FAMILY』とのコラボレーションを実施した理由は何だったのか。企画を担当する同社キャンディ事業部金岡氏は、アニメ化がひとつの大きな決め手になったと話す。「『SPY×FAMILY』コラボで販売しているのは、1つの商品に、ウエハースとおまけのカードがそれぞれ1枚ついてくるものです。2022年の第1弾は全27種類のカードを作成しました。数々のコラボを行ってきましたが、アニメ化が企画のきっかけになる背景には、視聴者であるお客さまに、アニメの印象的なシーンが共通認識としてインプットされていることがあります。要は、その印象的なシーンをカード化することで、ファンへ『あの場面だ』という共鳴を生むことができるのです。今回の『SPY×FAMILY』コラボにおいてもアニメ化はコラボを決めたひとつの要因になりました」(金岡氏)。
自身も原作ファンだという金岡氏は、過去にも複数のIPコラボを経験してきた。そんな金岡氏でも、コラボレーション先の承認を社内で通すのは簡単ではないと話す。