SNSは生活者にとって様々な情報に触れる接点であり、それと同時にショッピングを楽しむ購買の場にもなってきている。では「買いたくなる」情報とそうでない情報にはどのような違いがあるのか。本稿では、担当者がSNSを運用する際のポイントについて3つの出会い方ごとに解説する。
SNSで商品やサービスを発見し、実際に購買などのアクションに至るという経験がある生活者は増加している。今回は、生活者がSNSをキッカケにして、どんな時に物を買いたくなるのか、サービスを受けたくなるのか、について考えていこうと思う。
ただ一口に、購買意欲を喚起する情報の出会い方といっても、そのバリエーションは様々。今回は、そのシチュエーションを「広告からの購買喚起」、「自社アカウントからの購買喚起」、「第三者発信からの購買喚起」の3つに分類し、それぞれの視点から考察する。
CASE 1
広告からの購買喚起
まず、人はSNS上でどんな広告を見たときに、その商品やサービスにコンバージョンするのか。何かSNSならではの特別な攻略方法があるのではと考える方も多いだろう。しかし、シンプルに「ターゲットに届けたい情報を届ける」というのが結論だと私は思う。開始3秒でヒキのある動画をつくる、人間の深層心理を刺激する要素を入れる、といったテクニックはありつつも、一番大事なのは「ターゲットに届けたい情報を届ける」こと。これに尽きるのではないだろうか。
そもそも、SNS広告はアカウントの性別・年齢・居住地・趣味嗜好に合わせてクリエイティブの内容を変えることができる。上記の「ターゲットに届けたい情報を届ける」ことが比較的に実現しやすい媒体だ。つまり、企業が考えるべきは「SNSだからどうこう」という手法ではなく、生活者が求めている商品やサービスをつくるという基本的なこと。
例えば、私が個人で展開しているTシャツブランド「怠惰万歳」の「昼から呑んだくれTシャツ」は、Twitter広告経由で多くの人にご購入いただいている。これは「昼飲み」が好きな人がターゲットだが、まさにそういった文言を検索している人に向けて広告を配信し、購入されている商品だ。この事例も「SNSだからどうこう」ではなく、こういったアイテムを欲しいと思っている人を発見し、届けているから購買意欲を喚起できているのだろう。
![](https://mag.sendenkaigi.com/hansoku/202309/images/030_01.jpg)
昼から呑んだくれTシャツ。
CASE 2
自社アカウントからの購買喚起
もし、あなたのブランドが誰もが知る有名なブランド、あるいは既に熱狂的なファンを抱えているブランドなのであれば、ただ自社商品の告知をするだけでも十分に購買意欲を喚起できるだろう。なぜなら、フォロワーが求めている情報が、あなたのブランドについての情報そのものだから。だが、そうでない場合には新たなアプローチが必要になる。
そもそも、SNSでのアカウント運用を購買に直結させるためだけに使うのはナンセンス。あくまでも購買に至るまでのキッカケづくりとして運用するべきなのではないだろうか。
私はよく...