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【広告賞】
第58回JAA広告賞グランプリが発表 屋外・交通広告では南海電鉄「めでたいでんしゃ」
「第58回JAA広告賞 消費者が選んだ広告コンクール」(主催=日本アドバタイザーズ協会)で、最高賞に味の素、クボタ、パナソニック、NEXCO東日本(東日本高速道路)、南海電鉄各社の広告が選ばれた。経済産業大臣賞は東海テレビ放送が受賞した(写真右)。ほか70点の広告が入賞した。
最高賞のJAA賞グランプリには6部門あり、味の素は〈新聞広告部門〉で「非常においしく食べられます。」、〈雑誌広告部門〉で「シニアこそ、お肉。」のダブル受賞となった。
前者は、非常食をおいしく食べられるようアレンジレシピを紹介した広告。「非常食の始末の悩みを解消してくれる有用な広告。これを機に非常食の賞味期限を確認しようと思った」(審査員の女性)と評価された。後者は、おじいさんと、おばあさんが食事するようすを大きく撮ったビジュアルに、「肉食女子、はじめました。」「草食男子、やめました。」のキャッチフレーズを配置。「高齢化社会の現代を反映している。おじいちゃんおばちゃんの笑顔がサイコー!!!」(審査員の男性)とのコメントが寄せられている。
〈テレビ広告部門〉は、クボタの未来に向けた取り組みを表現したテレビCM「壁がある。だから、行く。『Try For Dreams.』篇」。〈ラジオ広告部門〉で選ばれたパナソニック「温度を聞く」は、水温で注ぐ音が変わる点に着目したラジオCMだ。審査員は選評として、「音の違いなど意識していなかったが音の魅力を最大限に生かしていて面白い。そうなんだ!と、新たな発見とともに友だちに話して聞かせたい」と寄せている。
〈デジタル広告部門〉は、NEXCO東日本の「父と母の卒業旅行~The Last Long Drive~」。「免許返納」をポジティブに描き、高齢者ドライバーという社会問題に一石を投じた広告だ。
そして、〈屋外・交通広告〉は南海電鉄「世界初!?で超めでたい!電車の夫婦にこどもが誕生」が選ばれた(写真左)。2014年に始まった、和歌山市の紀ノ川駅~加太駅を結ぶ加太線のプロモーション「加太さかな線プロジェクト」の一環。
2016年からは「めでたいでんしゃ さち」、翌17年からは「めでたいでんしゃ かい」の両編成が運行しており、"結婚"。生まれたこどもの「めでたいでんしゃ」が、2019年3月に稼働を開始したという企画だ。「町や鉄道だけでなく人々の心も元気にしてくれる。めでたい電車に乗ってみたくなったし、応援したくなる」と評された。
JAA広告賞は、審査員に広告関係者を含まず、消費者が審査するのが特徴。今回は6部門合計で1544点の応募があった …