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店頭で人を動かすクリエイティブを発掘

エバラ食品工業

エバラ食品工業(以下、エバラ食品)と『販促会議』は「インストア動画アワード」を初開催する。店頭はメディアとしての活用の余地が大きく残る開拓地。人手不足が店舗での課題となる中、どのような動画が“売れる”のかを研究し、店頭の活性化を図る。

4月9日、エバラ食品がパートナー企業に対してオリエンテーションを行った。

実際の店舗での放映を前提にインストア動画の可能性を探る

購入者に対し、商品のブランドを強く印象づけるのは多くの場合、店外のメディアだ。しかし、広告界最大手WPPの調査では、買い物客の10人に1人は、買おうとしていた銘柄とは別の商品を購入する傾向があることがわかっている。また、2割はそもそも買うつもりのなかった商品を衝動買いするという。だからこそ、買い物客がいつ、どこで購入を決めているのかを理解し、店頭で自社の商品を強くアピールする。それは、いまも昔も変わらず、極めて重要なアプローチである。

そこで、本アワードでは、いかに店頭で商品を魅力的に見せ、理性を飛び越えて「欲しい!」と思うスイッチを押すかについて、エバラ食品の「黄金の味」をテーマに、6社のパートナー企業が動画を制作することとなった。審査の結果、優秀な作品はメディア・機材パートナーであるCookpadTV、impactTVの協力のもと、実際の店舗で放映する。

30歳代~40歳代に「黄金の味」の価値が伝わる企画

本アワードの課題となる「黄金の味」は焼肉のたれの売り上げナンバーワンブランドだ。2017年には発売以来初の大幅リニューアルを実施し、翌18年に発売40周年を迎えた。

現在の主な購入者は40歳代後半~60歳代で、中学生以上の子どもを持つファミリー層。ただし、今回のアワードでは、「今後も長くご愛顧いただけるブランドになるため、30歳代~40歳代のライトユーザー層をターゲットとしたい」とエバラ食品の石井敦史氏(マーケティング部 家庭用マーケティング課)は話す。

「買い物にいらしたお客さまが『黄金の味』を食べてみたい!と思わず商品を手に取り、家庭で焼肉やバーベキューを楽しむシーンが増える動画を期待しています」(石井氏)

今回のアワードで募集した動画は、「盆休み」や「8/29焼肉の日」「秋の行楽」などの催事スペースや精肉売場で、焼肉やバーベキューシーンの訴求に活用する予定。精肉と「黄金の味」の同時購入を一層促すことができれば、店舗にとっても客単価向上の相乗効果も見込める。

現在、エバラ食品は、「黄金の味」未購入者や購入中止者にリニューアルした品質を味わってもらうため、店頭での試食販売の徹底や商品特徴を知ってもらう小冊子、POPの配布を積極的に実施。また、来店客の購入導線により近い精肉売場での商品陳列やメニュー提案を強化している。今後も、来店者目線での店頭販促に注力する考え。

昨年発売40周年を迎えた焼肉のたれ「黄金の味」。左から、甘口、中辛、辛口。

インストア動画の活性化に協力するパートナー企業

本アワードに協力するパートナー企業6社に「テレビCMやWeb動画の流用ではなく、単純なPOPでもない『インストア動画』は売り上げ促進のために、どう役立つのか、どんな可能性を秘めているのか?」を聞いた。


販売促進用品ならびに情報の企画・製作・販売

アルファ

インストア動画は、パッケージや見た目で伝わらない商品の情報を、コンパクトに伝えるツールと捉えています。当社で年間300本以上制作する動画は、7割以上が店頭用動画。クライアントさまとの打ち合せを重ね、動画を完成させています。

店頭販促はシンプルさが求められる傾向があり、メーカーさまは店頭の多様な商品の中で自社商品の差別化が課題。つまり当社が考える「インストア動画」の理想は、商品の価値をシンプルに伝えること。さまざまな動画を制作してきた結果、印象的な演出を1つだけいれることで、完成度が格段に変わることを実感しています。


動画を軸としたインターネット広告代理事業

CyberBull

CyberBullの「リテールメディア開発室」では、メーカー企業のWeb動画マーケティング支援で培った知見を生かして小売店舗での販促支援をしています。現在はIoTサイネージの登場で、来店客の性年別や購買行動が可視化できるようになり、これまでただ配信していた販促動画も、データとひもづけて効果検証することで販促の精度向上が期待できます。

「インストア動画」はさまざまな可能性を秘めており、最適な情報を最適なタイミングで伝えるなど、顧客とのコミュニケーションツールとして捉えることで、活用の可能性はさらに広がるのではないでしょうか。


SP広告を中心とした総合広告業務

スコープ

動画は静止画に比べ、理解や記憶に対して効果的だと言われています。しかし、それは画面に注目していることが前提です。店頭ではPOPにしろ、動画にしろ、足を止めて見てもらうことから始める必要があります。単純な動画では足を止めさせる効果は静止画と同等かそれ以下になってしまうのではないでしょうか。

我々はインストア動画を「動く絵」と考える前に「複数の静止画を切り替えて表示できる手法」として捉え、その特性が、「注目されること」「商品をわかってもらうこと」「購買へのひと押しとなること」にどう役立てるかを模索しています。


カラーデザインを基軸とした総合クリエイティブ会社

DICカラーデザイン


現代社会では目まぐるしく技術が進化し、ものすごいスピードで情報がやりとりされています。2020年の5G商用化など、店頭販促における施策内容がインストア動画を中心とした施策に代わってくるのではないかと考えています。消費者とのタッチポイントであるインストア動画のメリットを最大限に生かしたコンテンツ作りが重要となってきます。

消費者に気づきをあたえ効率的・効果的に商品を訴求していく動画や、時間帯や店内回遊客層に合わせた効果的な動画など、今後の可能性を秘めたメディアだと考えています。


ショッパーに変わる瞬間を創り出す会社

美工

当社のWebサイトでも一番にお伝えしている「コンシューマーからショッパー」へ変わる瞬間をつくり出す上でも、「インストア動画」は、大きな可能性を秘めていると考えています。その場での購買行動を促すのはもちろん、立ち止まらせる、理解度を深める、記憶に残すといった場面で単なる広告ではない「店頭ならではの動画」を活用することで、そのPOP効果をより高められると考えています。


顧客の価値を創造し、理想の未来を実現するプロモーション会社

フラクタル

情報が氾濫する現代社会。欲していない情報を人びとに押し付けても受け取ってくれません。「インストア動画」の役割とは、情報を欲しい場所・場面で、その人が欲している情報、欲したくなる情報を適切に伝え、頭の中にビジュアル化させ、購買行動に直接結び付けることだと思います。

また、来店客と商品、来店客と店舗との間に信頼と共感を醸成し、大切なファン(ロイヤルカスタマー)を作り育てられるはずです。さらには、実店舗における販売データや来店客の定性データなどを分析すれば、新たな価値を創造できるメディアに発展するのではないでしょうか。


結果は、8月1日に『AdverTimes』にて発表いたします。また、『販促会議』9月号ではCookpadTV、impactTVについてご紹介いたします。

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